6/10 メディチ家の至宝展 | そんな感じ。 since March 28, 2005

そんな感じ。 since March 28, 2005

日常生活の中で、ふと感じたこと。

関心したこと。

その時の感性のおもむくままに気ままに書き留めています。

2016年06月10日(金) 晴れ


ランチを食べて、Iさんと一緒に庭園美術館で開催されている『メディチ家の至宝-ルネサンスのジュエリーと名画』展を見に行きました。


庭園美術館って、いつも面白い割引をやっていて、作品の塗り絵を持っていったら割引(アルフレッド・ウォリス展)とかあったけど、今日は真珠を身に付けているれば割引になる「ドレスコード割引」。

真珠は人造パールでもOK。


PICT0694

↑2007年03月31日(土) アルフレッド・ウォリス展の割引の為に塗った塗り絵。

今、思ったんだけど、太陽のきらめきが「印象 日の出」っぽいw


事前にLINEでドレスコード割のことを伝えておいたら、Iさんたら、ゴージャスな2連パールをつけて現れた。

私はパールのイヤリングを持ってきた。

美術館の途中にアクセサリーショップがあって、私が「真珠のアクセサリーを忘れたからって、たった100円の割引の為にここで買ったら元が取れないわよね。」と言ったら、「taraちゃんて面白い。」と大笑いしていた。

こんなつまらないことで、いつも笑ってくれるIさんが好きだ。


20160610_ticket.JPG


ドレスコード割引チケット 1,300円

20160610_1443庭園美術館.JPG


東京都庭園美術館は約3年にわたる大規模改修を経て、2014年11月にリニューアルオープン。

本館の設備改修、修復、復元、そして新館が大幅改修。


私がこちらに来くるのは8年ぶり。


→ 2008年01月12日(土) アールデコの館


20160610_1518庭園美術館.JPG


本館はどちらが改修になったのかよく分からなかったけど、新館はトイレやカフェ(Cafe de Palais)が出来て、全然変わってました。


さて、「メディチ家の至宝展」の方ですが、メディチ家に関する知識がルネッサンス芸術家のパトロン・・・という程度のものしかなかったので、あんまり深くは鑑賞できなかったのですが、メディチ家に伝わるアクセサリ、工芸品、肖像画が展示されていました。


特にカメオが多かったです。

カメオといえば女性の横顔・・・というイメージですが、歴代当主の顔をモチーフにしたものがあって、「おっさんのカメオもあるのね!」というのが新鮮な驚きでした。


アクセサリ類は、高価な素材を用いたものは、戦費として供出したりしているのであまり残っておらず、素材としてはそれほどでなくても、手の込んだものが多かったです。

バロック真珠を使ったものが印象に残りました。


肖像画の女性達は、真珠を縫い付けたドレスを着て、真珠のネックレスのアクセサリをつけたものが多かったです。

「あ~、だからドレスコードが真珠だったんだ・・・」と納得したりして。


メディチ家って、銀行業で財をなしたのですが、銀行業を営む前は薬問屋か医師であったといわれていて、あ~たしかに「medical」っぽい苗字だなと妙に合点がいきました。


ジョヴァンニ・ディ・ビッチ(1360年 - 1429年)の時代に銀行業で大成功を収め、

ジョヴァンニの息子コジモ1世(1389年 - 1464年、コジモ・イル・ヴェッキオ)が政治の実権を握り、

コジモの息子ピエロ(1416年 - 1469年)は病弱だったけど、反メディチ派を抑え込み、メディチ家の黄金時代を維持。

コジモの孫のロレンツォ(1449年 - 1492年)は優れた政治・外交能力を持ち、イタリア各国の利害を調整する立場として大きな影響力を振るった。

またボッティチェリ、ミケランジェロなど多数の芸術家のパトロンとしても知られている。

ロレンツォの時代はフィレンツェの最盛期だったが、銀行経営の内実は巨額の赤字であり、曾祖父ジョヴァンニと祖父が築き上げたメディチ銀行は破綻寸前の状態であった。


とここまではフィレンツェの盟主、ルネサンス芸術のパトロンとしてイケイケだったけけど、ロレンツォの息子ピエロの時代、第一次イタリア戦争(フランス軍侵攻)でヘタこいた、エディチ家はフィレンェ追放の憂き目にあう。


ロレンツォ次男ジョヴァンニ枢機卿はハプスブルグ家の援助を得てスペイン軍と共にフィレンツェに復帰。

支配を確立。

1513年、教皇レオ10世として即位。

メディチ家から、ついにローマ教皇(法王)まで排出したわけだけど、レオ10世は派手好き、イベント好きで金遣いが超荒く、サン・ピエトロ大聖堂の建設のために免罪符を発行。

ルターによる宗教改革のきっかけとなり、また教皇庁は財政破綻。


と、まぁ、栄枯盛衰、いろいろあったみたいだけど、今回の至宝展で俄然、興味深かったのは、ビアンカ・カッペロの肖像画。

彼女はフレチェスコ1世・デ・メディチ(1541年~1587年)とダブル不倫関係の後に、2番目の妻となった人。

豊満なバディと美貌でフレチェスコ1世をメロメロにし、元夫を謀略死させ、最後はフレチェスコ1世と間をおかず自らも死亡。

マラリヤ説や、毒殺説があるけど、どっちだったんだろう?


いづれにせよメディチ家の肖像画の人々はゴージャスな装飾品と衣装を身にまとっているけど、死因はやたらマラリアや毒殺ばかりだったのには驚いた。

富と権力を手にしてはいても、幸せではなかったのですかね!?


20160610_ビアンカ・カッペロ

ビアンカ・カッペロの肖像

20160610_1600庭園美術館.JPG


「メディチ家あられ ペペロンチーニ味」をお土産に買いました。

メディチ家の血縁が絶えて、遥か300年後に東洋の果ての国で、家名を冠した‟あられ”が売られようとはメディチ家の人々は夢にも思っていなかっただろう。

しかも、ペペロンチーノ味って、なんじゃ、そりゃ。(旨そうじゃん!)


20160610_1622サーティーワン.JPG

サーティワン 360円


庭園美術館を出て、良さげなカフェを探しながらIさんと二人歩いていたけど、見つからないうちに目黒駅近くまで来てしまった。

そして、とてもアイスクリームが食べたくなり、サーティーワンに入ったけど、席がなかったので、アイスを持ったまま外に出たら、強風が吹いて、アイスはくずれ、ものすごい勢いで溶けだした。

二人で、「ナニやってんだろ、ワタシ達。」と言いながら、手をべとべとにしながら、必死でアイスをむさぼった(笑)。

久しぶりにIさんに遇って、とても楽しい午後でした。


先日、読んだ『グッチ家 失われたブランド』の舞台もフィレンツェだったし、今日のメディチ家の本拠地も勿論、フィレンツェ。

ちょっとフィレンツェやメディチ家に興味が沸いたので、惣領冬実さんの『チェーザレ 破壊の創造者』を読んでみようかな。

塩野七生さんの『愛の年代記』も面白そう。