はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション | そんな感じ。 since March 28, 2005

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日常生活の中で、ふと感じたこと。

関心したこと。

その時の感性のおもむくままに気ままに書き留めています。

2016年02月11日(木) 快晴 建国記念日


横浜高島屋で買い物した後、チケットをいただいたので五百羅漢図展を見に行こうと六本木へ。


20160211_1414六本木


14:14 六本木到着。


20160211_1414ママン


木とクモのオブジェが一体化してる~。


早速、森美術館の入り口に行ったら、フェルメールとレンブラント展はチケット購入まで20分待ちと出てる。

係の人に五百羅漢図展は込んでないか聞いたら、「五百羅漢図展は60分待ちです。」って。

ひぇ~、そんなに込んでいるんだ。

フェルメールの方が人気かと思っていたけど、五百羅漢図展の方が人気なの!?

森美術館は22時まで開館しているので、平日のアフターファイブに出直そう。


で、方針転換して国立新美術館に向かう。

今、大原美術館展をやっているんですよ。

セガンティーニの「アルプスの真昼」も、エル・グレコの「受胎告知」も来てるんですよね。

しかし、こんなトップスターが東京に来ちゃったら、大原美術館を訪れた人はガッカリしちゃうわね。

去年の9月に大原美術館に行ったけど、時間が足りなくてじっくり見られなかった私にはありがたいですが。


→ 2015年09月11日(金)・・・大原美術館


20160211_1444大原美術館展2


入館料 1,600円。

チケットの作品は児島虎次郎「和服を着たベルギーの少女」。


入場して最初の展示は、エジプト、イラン、中国の古代美術。

エジプト、イランの古代美術はアイビースクエアの児島虎次郎記念館に展示されているから、倉敷では見れなかった作品。

とはいえ、エジプト、イラン文明には疎いから、あまり分からず・・・。

イランはアラビア語ではなくて、ペルシャ語なんですよね。(って、その程度の知識か!?)


次のコーナーが19世紀から20世紀初頭の近代絵画のレクション。


そして、エル・グレコの受胎告知(1590年~1603年頃)もど~んと飾られていました。


大原で見た時よりも近くで見られて、照明もいいせいか、とっても見易い。

あ~、いいなぁ~。

やっぱ、グレコいいわぁ~。

この絵を見ていると、本当にマリアが純潔で受胎したように思えてくる。

そして、今回、気が付いたのは洗濯物だと思っていた画面下の籠は、仕掛中の縫物だったんだわ。

布の上に糸きり鋏みたいなのが乗っかってるわ。


アルプスの真昼の羊飼いの少女にも5か月振りのご対面。

「また逢ったね。」と少女に語りかけたら、ムスっと「ん。」と言ってたように感じた。

2度目に逢ったのは30年振りで、3度目に逢うのは5か月振り。

人生でもう一回くらいは逢えるかな。


別館に展示されていた、萬鉄五郎 の「雲のある自画像」にも、また逢えるとはラッキー。


なんか、こうして、じっくり作品を見ていると、倉敷で、あの限られた時間の中で、自分の好きな作品はすかさずちゃんとキャッチしていたんだなぁ~と思う。


そして、今回、とても気になったのは、熊谷守一の「陽の死んだ日」(1928年)

最初、黒や赤、黄の絵具を塗りたくった作品かと思ったら、横たわっている女性が見えてきた。

襟元が赤い布団が掛けられて、亡くなったばかりのようだ。

この女性は画家の奥さん? 恋人?

しかし、「陽(ひ)の死んだ日」という題なのに、何故、横に黄色い蝋燭が灯っているのだろう?

描きかけのような周りの白い空間は、どういう意図なんだろう?

と、すごく気になる作品だった。


休憩室に置いてある図録の解説を読んだら、亡くなったのは熊谷の4歳になったばかりの陽(よう)君という名の次男で、幼い命が生きたあかしを残したいと筆を取った作品だったろいうことだ。

途中で、絵を描いている自分を認識し、嫌悪感を感じて筆を置いたのだと。


げっ、「陽(ひ)の死んだ日」じゃなくて、陽君の死んだ日だったんだ。

亡くなったのは女性ではなくて、4歳息子さんだったんだ。

まわりの空白は、やはり、描きかけだTったのだ。


カフェで休憩してから、再びこの作品を見た。

事情を多少知ったうえでも、やはり気になって仕方ない作品だった。


20160211_1635Coquille


カフェコキーユでアイスカフェオレ(453円)を飲んで休憩。


この後、再入場して、グレコの受胎告知とアルプスの真昼と陽が死んだ日をじっくり眺めて、会場を後にした。

民芸運動の作品は、やはり倉敷の工芸・東洋館で見る方が風情があります。