禅寺で修行② ~けんちん汁~ | そんな感じ。 since March 28, 2005

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日常生活の中で、ふと感じたこと。

関心したこと。

その時の感性のおもむくままに気ままに書き留めています。

2007年04月17日(火) 曇り後雨


今日は北鎌倉の建長寺で、一日修行体験してきました。


坐禅が終わると昼食の時間です。


お献立は、ご飯、厚揚げの煮物、けんちん汁、おひたし、香の物。


20070417_1314Kenchouji

(修行の場にあっても食べ物を見たらシャッターを押さずにはいられない。

 俗人の愚かな性でございます…。)


中国人の蘭渓道隆が伝授した油で炒めるという調理法。
その油で炒めた野菜を具材にして作ったのが、けんちん汁の始まりとか。

すっかり日本の家庭料理として定着しているけんちん汁ですが、
起源は中華料理にあったのですね。

けんちん汁のお豆腐はくだいて入れます。
修行僧が床に落として粉々になった豆腐を洗って使ったことがきっかけだそうです。
粉々になっていると味も浸みますし、貴重な豆腐を大勢の人数で分かち合うことができます。
和尚さんによれば、さいの目に切った豆腐を入れるのは、正統なけんちん汁ではないそうです。

今日は和尚さんが、ありがたいお話を沢山してくださったのですが、

私が最も印象に残ったのはけんちん汁の話なんですね。
そして、ブログで最も熱く語っているのも、けんちん汁についてですね。
(なんの修行をしてきたんだか・・・。)

けんちん汁発祥の地、建長寺で頂いた「正宗けんちん汁」はとっても美味しかったですっ!
あんまり美味しくて、おかわりしちゃいました!
(修行の場にあっても食欲絶ちがたく…。 まさに餓鬼道を行く私です。)

因みに、この一日修行体験コースではご飯とけんちん汁はおかわり自由です。

けんちん汁についてばかりでも何なので、食事の作法についても触れておきたいと思います。
禅の食事にあっては、次の三つを守らなくてはなりません。

・姿勢を正し、正座で頂く。
・食器は必ず手に持って食べる。(香の物の皿であっても必ず手に持つ。)
・決して音をたててはならない。

食事とは、たとえ野菜であろうと生き物を殺生し、その命を頂くこと。
大切な命を頂くのであれば、その一粒たりともこぼさないようにする為に器を手に持ち、口に近づけて食べる。
子供を寝かす時は、そっと寝床に置くように、大切な食べ物の入った器を机に戻す際には、そっと置く。
そのようにすれば音がたつことはない。
そういった理由から、禅の食事の作法があるのです。




 ~つづく~