カステラの化学~メイラード反応~ | そんな感じ。 since March 28, 2005

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日常生活の中で、ふと感じたこと。

関心したこと。

その時の感性のおもむくままに気ままに書き留めています。

2006年02月22日(水)


カステラ作りって素朴な作業だから、素朴な疑問がガシガシ沸いてきて、

夜も眠れなくなっちゃうわ。

不眠症にならない為にも、疑問を一つ一つ解決して行きましょう。


カステラの謎 その1


何故、均一な成分の生地を型に入れて焼いているのに、

上と下だけ茶色くなるの?


タンパク質と糖類を加熱したときなどに見られる褐色物質を

生み出す反応をメイラード反応(褐色反応)といいます。


最初にタンパク質と炭水化物が分解し、小分子の糖やアミノ酸になる。

次に糖の環が開いて、できたアルデヒドや酸がアミノ酸と反応し、

さまざまな物質が生まれるほか、生まれた分子たちも反応しあう。


メイラード反応は、決まった糖とアミノ酸の組み合わせでも、

温度や環境の酸性度、共存物質、偶然により産物が変わってくる。


カステラを焼く上での必要なメイラード反応の基本ポイント

1.メイラード反応は、ほぼ140℃以上で進む。

2.高温になるのは生地の表面だけ。

  (水分がある限り内部は100℃以上にならない。)

3.温度が200℃を超すと、メイラード反応は最終段階に入り、

  さらに多様な分子ができるが、その中には発がん性があって

  味もあまりよくない分子が多い。


カステラを焼くとき、最初の12分はオーブン内の温度を

180℃に上げ、生地表面にメイラード反応を起こさせ、

カステラ特有の茶色いカラメル風味の焼き上がりになるようにする。

この段階では、生地の内部には水分があるので、温度は表面よりも

低く、メイラード反応は起こらない。→カステラの内側は黄色いまま。

上下部が茶色くなったら、オーブンの温度を150℃まで下げて、

さらに70分間焼く。→温度を下げることによって、炭化を防ぐ。


今度は、調理用温度計を買って、生地内部の温度を

計ってみたいと思う。