夢のようなスペシャルディナーをいただいて
早くも10日以上が過ぎていました。
時間が経つと、なおさら
「やっぱ夢だったんか?!」という気持ちに。
いや、私は食べた。確かに食べたのだ。
シェフの本気料理を~!
ということで
どんだけスペシャルだったかを
記憶だけでなく記録にも。
だいぶ長いですけど・・・
よろしければ、お付き合いください。
前回の序章はコチラ↓から。
今回のスペシャルディナーは
イスタンブールのneolokalというレストランの
3周年記念イベントの一環。
3. Year, 3 Chef, 30 Guests
というテーマで
他店のシェフを招いては
そのゲストシェフとコラボして
一夜限りのスペシャルメニューを!
てな感じでして。
私が行った日は
写真左: neolokalのMaksut Aşkarさん
写真中: Dersou(Paris)のTaku Sekineさん
写真右: Le Jules Verne(Paris)のHisanobu Shigetaさん
のコラボレーションだったわけです。
こちらのレストラン
ロマンチックな景色が見えることでも有名。
金閣湾の向こうにはヨーロッパ側旧市街が。
天才建築家シナンが建てた
スレイマニエ・ジャーミィやら
新市街と旧市街を結ぶ、ガラタ橋やら。
連絡船の往来する様子も情緒的。
30人のゲストなはずだけど
実際には大盛況で44人だったかな?
たくさんのゲストで賑わっていました。
今回、偶然にも
イスタンブール暮らしの大先輩方もいらしてて
キッチンの目の前にあるカウンター席
シェフズ・テーブルでご一緒させてもらいました♪
ダイニングの下階にあるシェフズ・テーブルからは
イスタンブールの絶景は見えませんが
ある意味こっちのがよっぽど絶景でしたわ。
シェフたちが目の前で料理するLIVE感
たまらん!!!鼻息フンフン!
作っている様子を見ていると
料理に対するワクワク感もアップするし
実際に食べたときの感動も倍増する!
メニュー(英語/トルコ語)
英語メニュー見て「は?へ?」って思うけど
トルコ語メニュー見て納得!てなこと、よくあるよね。
それではお料理紹介を。
料理へのコメントは
私の勝手な見解ですので、あしからず。
Marinated Anchovies and Spiced Rice
トルコ料理のヤプラック・サルマス
(ブドウの葉っぱの中にピラフ入れて煮込んだやつ)
のピラフ部分にハムシ(カタクチイワシ)を乗せて
ブドウの?葉っぱで巻いちゃいました!な一品。
トルコ的お寿司ですね。
ということで、手でいただきました~。
トルコじゃ見ることのない、うるし?の器もステキ!
Dumplings, Anchovies and shrimp, Lamb broth
好きな食べ物は?と聞かれたら
真っ先に答えるであろう、餃子!
以前から、
関根くんがパリのお店で作ってる餃子が
気になって仕方なかったの!
インスタで見ては、どんな味なんだろうか・・・
と想いを馳せていたのです。
ついに食べられて嬉しい~!
しかも、魚介とお肉が同居する一皿って!!
センスがキラリ!ですよ、ほんと。
Neolokal sour dough Bread - Butter, Black trumpet powder
コロンっと、まんまるなパン。
あまりにもそのフォルムがかわいくって
なかなか食べられなかった。笑
お皿も好みだし、ナイフの添え方も斬新。
インスタ映えするパンだな!
キッチンはこんな感じ~。
トルコらしく、ナザールさんのお姿が!
そのうえには鶴もいたよ♪
関根くんが着けてるエプロン、かわいいよね~。
料理が終わったとき
今回のホストシェフであるMaksutさんに
プレゼントしていてね。
今回のような機会には、相手のシェフに
エプロンをプレゼントするそうな。
サッカー選手が試合後に
ユニフォーム交換する感じと一緒かしら。
なんか、ステキな儀式だな~。と思いました。
私もそのエプロン欲しい!
Mackarel - Caper sauce, Cabbage, Spring Onions
イスタンブールのサバサンドから
インスピレーションを受けて?の一皿。
こんなにホロッホロなサバ、初めて食べたよぉ!
トルコで魚料理と言えば
まるごとを焼くか揚げるかの二択!
というイメージなので。
こんなに美味しい繊細な一品に仕上げてもらって
サバも喜んでると思います。
この眼差し~が~、たまらない~~~!
今回、関根くんのカメラを預かって
料理してる様子を撮影してたんだけど
私の脳内ではBGMが流れていましたよ。
えぇ、そうです。
タロウ・ハカセさんのアレです。
情熱大陸です。
画になる瞬間が多過ぎて
逃すまい!と、気分は専属カメラマンでしたわ。
İçli Köfte Dumpling, - Salted yogurt foam, Garlic parsley oil
トルコ料理のイチリ・キョフテ(ピロシキみたいなやつ)と
アイラン(塩入りヨーグルト・ドリンク)から
インスピレーション受けました!かもしれない一品。
そして今気づいたけど
このフォルムは!トルコ料理のマントゥ(水餃子)からか?!
芸術が爆発している!
頭の中を覗いてみたい!!
メニューを考えているときの様子を眺めながら
ごはん三杯いける気がする!!!
Bonito - Jerusalem Artichoke cream and sauce, Garden greens
一見ソーセージかと思ったら、カツオさんでした。
これまた繊細な優しいお味で
コーフン状態wだった舌も、ひと息できました。
Lamb, - Octopus sauce, Grape leaves
大袈裟な表現ではなく、記憶にある限り
今まで食べたお肉の中で、イチバン感動した!
食感がトゥルットゥルだったの。
トゥルットゥルの肉って、どゆこと?!
トルコでステーキ系を食べて
焼き加減および味付けでガックシ・・・
そんな安くないのに・・・
ということ、よくあるよくある~でしてね。
(ケバブは美味しいんだけどねぇ)
もう、トルコのステーキ食べたくない!
と、ワナワナするぐらい感動のお味でした。
更に驚いたのは
お肉にイカスミだってOMG!なのに
タコスミですって、たこすみー!
しかも中には
ブドウの葉っぱが練り込まれてるんだそうな。
あぁ・・・溜息がとまらない。
Revani - Quince, Yogurt ice cream, Dried milk skin
トルコの激甘シロップ漬けデザートにまで
チャレンジしたシェフ!す、す、す、すごー。
もはや私はトルコデザートの
レヴァニという名前すら知らなかった。
原形の写真をみて、あーそれか。と納得。
絶対に頼まない部類のやつね。
後悔しないわけがないですから・・・。
で、で、でですよ。
激甘シロップ漬けデザートのはずが
まぁー爽やかなお味に仕上がってましてね。
お供のみなさんの存在のおかげで
甘ったるさ感、ゼロ!の衝撃。
アイワ(マルメロ/西洋かりん)をコンポートにしたり
ヨーグルトをアイスにしたり(懐かしい味だったぁ♡)
カイマック(牛乳を煮詰めてできた膜の層)をパリパリにしたり
とにかくTHEトルコなラインナップを
ステキアレンジしまくったやつを添えるという。
あぁ、感動が止まらない。
美味しいって幸せだ。
ちなみに、普段の私は
トルコで高級料理を食べることがない生活なので
上記で例に出しているトルコの味は
「庶民派なトルコの外食」のことでございます。
今回、スペシャルディナーをいただいて
この感動が止まらない感覚、なんか懐かしい。
と思っていたのですが。
10年くらい前に、関根くんとパリで再会したときに
同じような感覚を体験したことを思い出しました。
当時、彼が住んでたおうちで料理を作ってくれて
関根くんが料理する姿を、初めてまじまじと見て
「このひと、本当に料理が好きなんだなぁ。
そんな人が作った料理は、美味しいに決まってる。」
と思ったもんです。
メニューを考えながらの食材の買い出し
料理に合うワイン選び、気分に合わせたBGM選び・・・
料理をしている瞬間だけじゃなくて
料理にまつわる全ての過程を楽しんでいる。
4年前、私がイスタンブールに住み始めた頃
世界各地へ食の旅に出た関根くん。
最初の滞在地としてイスタンブールを選んでくれて
その時も、家で料理を作ってくれました。
パリとは違うイスタンブールの食材を
キラキラした目で楽しそうに選びながら
調理器具や器のラインナップもままならない家で
感動の味を生み出してくれました。
食材の状態を見て
その良さを最大限に引き出せるメニューは何か?
を、その場で考え形にすることができる彼の料理は
食べていて本当に感動します。
その過程も見ているから、なおさらに。
もちろん普段、自身のお店で扱う食材や調理器具は
こだわり抜いたものを使っているんだろうけど
自分で選べない状況下だとしても
臨機応変に対応し、最高のパフォーマンスを披露できる
彼のセンス。
「料理が好き」というシンプルな想いが原動力となり
突き動かされているんだろうなぁ。
きっとそれは、彼自身が「料理が好き」だと自覚した
その時から変わっていないのでしょう。
本質の部分を見失わずに突き進ん行く
彼が、彼の料理が
国を超えて多くの人から愛される理由が
よくよく分かる気がします。
若かりし頃から
「料理人」という方々へ
尊敬の念を抱いていた私ですが
今回改めて
料理人という仕事は
「料理するその姿と料理とを通じて
人を幸せな気持ちにさせる」
そう、感じたのでした。
ありがとう、関根くん!しげPさん!マクストさん!
今度はみなさんのオリジナル料理を
それぞれ食べに行きたい~♪
読んでいてワクワクが止まらない
関根くんの連載「食を旅する」@Web料理通信も要チェック☆
イスタンブール版も読みたいぞっ!