友の出産から10日余りが経ち
立ち会い時の記憶も薄れてきた今日この頃。
忘れる前に、書いておかねばね~。
前回の記事は↓コチラ↓から。
「5分おきくらいに鬼に変身してる」
との報告を旦那クンより受け
出産前夜、23時頃病院へ向けて出発。
病室に入ってまず思ったのは
日本(東京)の病院で言ったらきっと
“スイートルーム”の部類に入るであろう
トイレ・シャワー室付きの広々とした個室にビックリ。
これなら付添人も、同室でのんびりできるわー。
(トルコでの出産のスタンダードが、この環境なわけではないだろうけど。)
5分おきに鬼に変身するものの、波が来てない間は
まだまだ元気な妊婦ちゃん。
「例のアレ、今のうちにやっときましょ!」と
妊婦持参のスケッチブックとペンを取り出す。
陣痛中の妊婦さんが描いた富士山の絵を受け取ると
子宝に恵まれるというジンクスがあるらしい。
ということで、鬼に変身している最中の妊婦に
「先生、お願いします!」と容赦なくスケッチブックとペンを差し出す。笑
子宝に恵まれることを望んでいるお友達に
一枚一枚、心を込めて富士山を描く“先生”。
どさくさに紛れて、将来のために、私も描いてもらっときました♪
富士山もたくさん描いたし
あとは、ひたすら陣痛と闘いながら“その時”を待つのみ。
私はひたすら“妊婦なう”の動画をちょこちょこ撮っては
日本にいる彼女のお母さんに送りつける。笑
娘の一大事に立ち会えず
さらに何かと心配事の多いトルコでの出産。
それはそれは、ご両親も生きた心地がしないことでしょう。
(自分の親のことはさておいて、人の親の気持ちには寄り添える。ははは。)
最初のうちは
まだまだ体力的にも精神的にも余裕のある様子だったけど
刻一刻と、病室内の空気感も変わって行く。
けれども私はお構いなしに
「大事な任務なもんで。」くらいの勢いで
陣痛に苦しんでいる様子も含めて
動画や写真を撮っては、お母さんに送信。
陣痛の痛みが、徐々に強くなってきて
鬼に変身すると、呼吸が乱れ始める妊婦。
出産の知識はゼロだけど
これはきっと呼吸を整えないといけないのでは?と思い
気も呼吸も乱れまくっている妊婦をナデナデしながら
「吸ってぇ~、吐いてぇ~。吸ってぇ~、吐いてぇ~。」と
ヨガの先生になった気分でw声掛けをしてみる。
この声掛けが、良いんだかウザいんだか
いまいち妊婦の反応からは分からなかったので
さらに5分後、再び鬼に変身した際には
特に声掛けをせずに見守っていたんだけど
「吸ってぇ~、吐いてぇ~。って言って。泣」
と、妊婦からおねだり入りました~。
それ以降、陣痛が来るたびに延々と
「吸ってぇ~、吐いてぇ~。」の声掛け。
あまりにも頻繁に声掛けが必要だから
妊婦的に申し訳なくなったのか
一度、陣痛中に声掛けしてる私の声を録音して
次に陣痛が来たときに、録音した声を聞きながら
その声に合わせて呼吸を整える妊婦。
本人必死なんだけど、ケータイのスピーカーに
耳を押し付けてるその姿がなんだか滑稽で、笑えたり。
私が少し離れてるときに陣痛が来て
旦那クンがなでなでしながら
「吸ってぇ~、吐いてぇ~。」をやってる姿を見たときは
そのふたりの姿があまりにも神々しくて
感動しつつ、もちろん動画でキャッチしてお母さんに送信。
動いた方が、お産が進むということで
合間合間で、ベッドから起き上がって病室の中を動き回ったり
配給されたバランスボールに乗って、陣痛の痛みを軽減したり。
この日の朝、みんなでカフェで“最期の朝食”をして以降
まともに食事をとっていない彼女。
入院してからは、飲食厳禁と言われてしまい
陣痛との闘いで、体力も消耗する一方。
夜が深くなるに連れ睡魔も襲って来るわで、踏んだり蹴ったり。
バランスボールに乗って揺れながら
自らバランスを取ることがもはや難しい状態につき
ボールの両脇に椅子を設置して、椅子の背もたれに腕を置いて
身体を支えつつ、ひたすら痛み逃し&陣痛促進に励む妊婦。
その姿がまるで
“試合に負け、リングの角で燃え尽きて灰になったボクサー”
かのようで、哀愁漂っておりました。
陣痛の間隔が4分になってから、早数時間。
ベッドに横たわったり、起きてバランスボールに乗ったり
点滴したり、診察したり。
妊婦は4分ごとに苦しみ
旦那クンと私は4分ごとに声掛けをし。
そんな中でも、ふとした瞬間に
意識が飛んで寝落ちしている私達。
時刻は早朝6時半。
数時間に一度の診察時間がやってきて
衝撃の報告。
「子宮口、まだ4センチのままだから、一度、食事を摂りましょうか。」
・・・ポキッ。
あ、今折れた。
妊婦のココロ、今、完全に折れました~~~。
一晩、4分おきの陣痛に耐えてもなお、変わらぬ子宮口4センチ。
心身ともに疲れ果てている妊婦には、あまりにも残酷な報告なのでした。
追い打ちをかけるかのごとく、運ばれてきた朝食ってのも
エネルギーが全然沸いて来なさそうな内容のもの。
もはや食欲という欲求など失せてしまった妊婦にとっては
どんな内容だろうとアガることはなかったんだろうけど。。。
結果、ほとんど食べずに終了~。
まだまだ“その時”までには時間が掛かりそうな雰囲気だったので
私もリフレシュして気合を入れ直そうと、一度帰宅。
1時間ほど睡眠をとり、旦那クンに最新の状況を確認。
担当医の先生が出勤して、陣痛促進剤を投与したものの
まだ時間はかかりそう。とのことなので、コーヒー飲んでシャワー浴びて。
午前9時過ぎ。
パン屋さんでパンでも買って、病室行こうかな~。なんて思いつつ
何か必要なものがないか、旦那クンに電話を掛けてみる。
と!
電話口の向こうから聞こえて来る、うめき声。
明らかに、先ほどまでの状況とは違う、緊迫感。
それでも尚、もうちょっと時間が掛かりそうとのことなので
腹が減っては戦は出来ぬ。だし、やっぱパン屋寄るかなー。
でも、あのうめき声、尋常じゃなかったしなー。
やっぱ病院に直行しようかなー。
なんて悩みつつ、家を出て、病院に向かっている道中
「分娩室来た。」 と、旦那クンから衝撃のメッセージ!
え、え、えぇぇぇぇ?
どゆことどゆこと、それってDo You Kotoooooo???
「もしかしたら、中に入れないかも。」
の言葉に心が折れそうになりつつ、もちろんパン屋などすっ飛ばしで
病院めがけてダッシュするのでありました。
最終回は↓コチラ↓から♪
* 第3話/終
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