日本語として全く別の言葉ですが、本気で悩む使い分けというか、どっちを言っているのかたまに全く分からなくなる言葉です。
用字用例辞典を見ると、「深化」は「深まること」、「進化」は「進歩してよりよいものになること」と意味の記載があります。
さらに用字用例辞典にはいろいろ用例も載っていて、「深化」のほうは「溝」「危機」「対立」「不安」などのネガティブな言葉が半分ぐらいなんですが、それらは意味から明らかに前向きな意味の「進化」を用いるものではないのが分かります。問題はそうではないものです。
私が初めてどちらを使うか悩んだのは、「学習のシンカ」という言葉を聞いたときです。
「学習」なら、進歩してよりよいものになっても、深まっても意味はおかしくないではないですか。しかも、発音もアクセントも全く同じに聞こえます。
まずネットにて「学習の進化」「学習の深化」をキーワードにそれぞれ検索してみますと、完全一致検索でもそれぞれ何十万もヒットし、どちらが正しいか全く分かりません。
学習指導要領の道徳科の目標に「深化」という文言があったりして、私はこれまで教育関連はどちらかというと「深化」を用いることが多いと解釈していたんですけれども、教育に関するいろいろな論文を見ても「シンカ」の表記は様々ありますし、昨年度の終わりに文部科学省が出した初等中等教育段階の教育政策の改革方針は「教育進化のための改革ビジョン」ですので、いまいちよく分からなくなってきました。
こんなときはどうするかというと、
(1)資料があれば資料の記載に従う
(2)以前の議事録見てみて、それに従う
のが無難ではないかと思うんですけど、資料も議事録もともすれば変換ミスなどあり得るので、一つヒットしたからそれでよしとせずにじっくり調べて考えてみることをお勧めします。
結論としては、私は確固たる答えを持っていないということです。文脈から、内容を深めたのか、よりよいものにしたのか、しっかり読み取ってください!(丸投げ)