ワードで効率よく作業するための方法(その4) | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

大分前にちらっと書いたことがあるような気もしますが、テープ起こしの仕事では、間違った発言に突っ込みを入れるのも仕事の一つです。それは、事実と異なることを言っていないかどうかということのほかに、ほかの人の発言とそごがないかというのも含まれます。

 

と言うとめったに起こらないことのようにも聞こえますが、もうそろそろ始まっている議会の話の中では、結構よくあります。というのが、予算や決算に関しての金額に関しては、結構言い間違いが多いのです。

例えば質疑で何かの予算金額を問われて、答えがあったとします。多くの場合質問した側はもう一歩深い質問をするのですが、その際に「今予算は○円とおっしゃいましたが」などと先ほど聞いた予算金額を繰り返すことがよくあるんですが、これが結構間違っていることが多いです。

 

それで、答えを聞きながら次の質問を考えてとなるので、覚え間違いだろうがメモの取り間違いだろうが単純な言い間違いだろうが間違うのは仕方ないんですけど、テープ起こしの作業としてはここで前の発言との一致を確認するというステップが必要となります。

 

ここで確認するために画面を一旦スクロールして、さらに戻すこととなりますが、前の発言がすぐ前ならいいんですけど、確認したい発言が現在の位置とちょっと離れたところにあると、捜しながらスクロールするという操作が必要になります。そして、恐ろしいことにスクロールしている間に確認すべき内容が脳から消え去ってしまうこともあるわけです。

 

まあそんな鳥頭は私だけかもしれませんが、そのようなことを回避できる機能がワードには備わっています。一つのファイルを複数画面で開くことができるのです。

ワードの上部の青いところには通常ファイル名が表示されていますが、そこに「 - 1」「 - 2」と連番がついているのがお分かりでしょうか。これは同じファイルの一つ目の画面、二つ目の画面というのを表しています。

例では全く同じ状態のままですが、倍率やウインドウサイズを変えたり、片方だけ検索をかけたりすることができる、完全に独立したウインドウとして動作します。もちろん片方への変更は双方のウインドウに反映されます。見た目は違えども、内容は全く同じものとなります。

これを使えば、前の発言の部分を二つ目のウインドウで表示させて、今の発言と見比べながら内容を確認でき、なおかつ、確認が終わっても元の画面は一切動かしていないわけですから、スクロールして元の場所に戻るという作業も不要になるわけです。

 

この機能をどうやったら使えるかというと、表示のリボンの中央やや右側にデフォルトであります「新しいウインドウを開く」というボタンをただ押すだけです。すると、現在のウインドウと全く同じ見た目のウインドウがもう一つ開きます。

私は頻繁に使うのでもちろんボタンをクイックアクセスツールバーに入れていますし、むしろそれぞれの表示位置と表示サイズを用途に合わせて指定したマクロを二つほどクイックアクセスツールバーに入れています。地味だけれども役立つこの機能、ぜひ皆さんも使ってみてください。