このたびの改訂で表記を分けることとなった、頻出語の一つです。
非常に頻出なんですが、もともと個人的に漢字表記していたものを前のルールで平仮名表記に認識を変えたものであり、しかも改訂内容は平仮名表記の場合がほとんどなので、いつまでたっても漢字のほうをうっかり忘れてしまって、私が初めて改訂の内容を知ってから1年近くたった今も非常に困っています。
具体的な使い分けは、用字用例辞典ではちょっと分かりづらいので、辞書の意味を用いて切り分けることにしましょう。
以下、デジタル大辞泉からの引用です。
1 物事の道理。すじみち。「訳のわからない人」「訳を説明する」
2 言葉などの表す内容、意味。「言うことの訳がわからない」
3 理由。事情。いきさつ。「これには深い訳がある」「どうした訳かきげんが悪い」
4 男女間のいきさつ。また、情事。「訳のありそうな二人」
5 (「わけにはいかない」の形で)そうすることはできない。筋道ではない。「やらない訳にはいかない」
6 (「わけではない」の形で)否定・断定をやわらげた言い方。「だからといって君が憎い訳ではない」「別に反対する訳ではない」
7 結果として、それが当然であること。「やっと今度、その宿望がかなった―です」
そして用字用例辞典の用例を見てみますと、「わけはない」「…するわけにはいかぬ」「…というわけであります」「訳を話す」「言い訳」とありますから、明らかに上記辞書の意味の1、2、3、4が用字用例辞典では「訳」、5、6、7が「わけ」と表記すべきものなのでしょう。
ただ、用字用例辞典と比較するとどう表記すべきかは明らかに分かるとはいえ、辞書の意味の3にある用例の「どうした訳か」は非常に平仮名で書いてしまいそうな気もします。
もちろん納品前チェックリストに入れてあるんですが、あまりに頻出すぎて、チェックが嫌になる言葉であります。