*昨日の記事のコメントで、速記協会の出した新訂の解説本を教えていただきました。
速記協会の会員の方には自動的に送られていたみたいですが、私のような非会員には情報も来ないし自腹で買うしかないようです。
前の記事に追加をしてリンクも貼ってみましたので、必要な方は昨日の記事を御覧ください。
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今日のお題は一見平仮名表記が漢字表記に変更になっただけのシンプルな変更なんですが、実は意外と分かりにくく面倒なものです。
というのが、「耐える」との使い分けが面倒であるからです。
その面倒な「耐える」との使い分けは前のルールのときに記事にしており、ルール自体はそのときと変わっておりませんが、改めて用字用例辞典での書き分けを記載しますと、「じっと我慢する」「持ちこたえる」ときは「耐える」で、「能力がある」「価値がある」ときが「堪える」になります。
もうちょっと詳しく読み解くためにデジタル大辞泉を見てみますと、
(以下引用です)
1 苦しいこと、つらいこと、嫌なことをじっとがまんする。辛抱する。こらえる。「厳しい訓練に―・える」「暑さに―・える」「憤慨に―・えない」
2 外部から加えられる強い力や作用に対しても、屈したり影響を受けたりせず、抵抗する力をもつ。もちこたえる。「重労働に―・える」「高温に―・える構造」
3
(ア)(堪える)それをする能力がある。その力量がある。「任に―・える」
(イ)性能・力などがなくならずにある。「まだ使用に―・える」
4 (堪える)わざわざそうするだけの価値がある。…に値する。「鑑賞に―・える作」「読むに―・えない」
このように、項目は一つでありながら、きちんと「堪える」の場合が明記されており、それが用字用例辞典の書き分けと一致していることが分かります。
ただ、ちょっと間違えそうだなと思ったのが、用字用例辞典の「堪える」の用例の「労働に堪える」と、デジタル大辞泉の「耐える」の用例の「重労働に耐える」です。
これは同じ「労働にタえる」という言葉が使われていますが、前者は「その労働をする能力や力量がある」場合、後者は「重い労働の負荷にも持ちこたえられる」場合であり、意味が異なるんですね。文脈によって判断し、表記を変える必要があります。
今回の新訂の変更とは関わりのない部分、全部「耐える」にしてしまうというミスのほうが怖い言葉であります。
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ぼちぼち9月の繁忙期が始まります。
パソコンの故障もあり、十分に記事のストックを用意できたとは言えません。もし更新が途切れたら気長にお待ちいただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
それと、速記協会の解説本は出ているんですが、まだ私の手元にない&既に繁忙期に備えて記事をストックしているので、しばらくはこれまでどおり愚痴モードが続きます。
書き直す暇もないため、申し訳ありませんがそのままで更新します。よろしくお願いいたします。