昨日に引き続き、見落としがちな変更です。
旧ルールでは、基本「臭い」で幾つか表記の例外として「くさい」だったものが、今回の改訂で完全に二つに分けられることになりました。
ただ、その区分が、いまいち分かりにくいというか、用字用例辞典に記載されているのは用例のみです。以下、引用します。
【臭い】青・汗・酒・乳・土・生・抹香・焦げ・かび・きな-臭い、臭い物に蓋
【くさい】男・水・泥・古・陰気・素人・分別・面倒・照れ・けち・バタ・年寄り-くさい、くさい芝居、態度がくさい
何となく、実際嗅覚が反応するのが「臭い」っぽいですが、ちゃんと辞書を見てみましょう。以下、デジタル大辞泉からの引用です。
[形容詞]
1 不快なにおいを感じる。いやなにおいがする。「ごみ捨て場が―・くにおう」「息が―・い」
2 疑わしいようすである。怪しい。「あのそぶりはどうも―・い」「―・い仲」
3 演劇などで、せりふの言い方や動作が大げさすぎてわざとらしい。「―・い芝居」
[接尾語]《形容詞型活用[文]くさ・し(ク活)》名詞またはそれに準じるものに付く。
1 …のようなにおいがする意を表す。「汗―・い」「こげ―・い」
2 …のようなようすであるの意を表す。「年寄り―・い」「インテリ―・い」
3 上にくる語の意を強める。「けち―・い」「てれ―・い」
これを用字用例辞典の用例と照らし合わせてみますと、やはり形容詞、接尾語ともに実際に臭うのが「臭い」でよいようです。
なお、「きな臭い」は実際用いられるのは「戦争・動乱などの起こりそうな気配がする」(デジタル大辞泉より)なんかのリアルに臭わないときが多いと思いますが、辞書にあるようにそもそもそれは「《硝煙のにおいがすることから》」なので、「臭い」の表記でよいようです。