【新訂にて変更】「臭い」 or 「くさい」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

昨日に引き続き、見落としがちな変更です。

旧ルールでは、基本「臭い」で幾つか表記の例外として「くさい」だったものが、今回の改訂で完全に二つに分けられることになりました。

ただ、その区分が、いまいち分かりにくいというか、用字用例辞典に記載されているのは用例のみです。以下、引用します。

 

【臭い】青・汗・酒・乳・土・生・抹香・焦げ・かび・きな-臭い、臭い物に蓋

【くさい】男・水・泥・古・陰気・素人・分別・面倒・照れ・けち・バタ・年寄り-くさい、くさい芝居、態度がくさい

 

何となく、実際嗅覚が反応するのが「臭い」っぽいですが、ちゃんと辞書を見てみましょう。以下、デジタル大辞泉からの引用です。

 

[形容詞]
    1 不快なにおいを感じる。いやなにおいがする。「ごみ捨て場が―・くにおう」「息が―・い」
    2 疑わしいようすである。怪しい。「あのそぶりはどうも―・い」「―・い仲」
    3 演劇などで、せりふの言い方や動作が大げさすぎてわざとらしい。「―・い芝居」
[接尾語]《形容詞型活用[文]くさ・し(ク活)》名詞またはそれに準じるものに付く。
    1 …のようなにおいがする意を表す。「汗―・い」「こげ―・い」
    2 …のようなようすであるの意を表す。「年寄り―・い」「インテリ―・い」
    3 上にくる語の意を強める。「けち―・い」「てれ―・い」

 

これを用字用例辞典の用例と照らし合わせてみますと、やはり形容詞、接尾語ともに実際に臭うのが「臭い」でよいようです。

なお、「きな臭い」は実際用いられるのは「戦争・動乱などの起こりそうな気配がする」(デジタル大辞泉より)なんかのリアルに臭わないときが多いと思いますが、辞書にあるようにそもそもそれは「《硝煙のにおいがすることから》」なので、「臭い」の表記でよいようです。