縦書きのときの注意すべき点について | ある在宅ワーカーのつぶやき

ある在宅ワーカーのつぶやき

みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

現在、日本ではビジネス文書は横書きが主流になっておりまして、縦書きのものを見かけることは少なくなりました。

ほとんどないと言ってもよいぐらいかもしれませんが、議事録の世界では若干存在しております。その代表的なものが国会議事録で、検索システムでは横書き表示されておりますが、検索結果一覧のPDFのボタンをクリックしていただけますとわかりますように、本来縦書きであります。

まあ私のような下々の者にはそういうクオリティーの高さが要求される仕事はまず回ってきませんので、私が縦書きの作業をしたのはこの8年で両手の指におさまる程度なんですが、それでもごくわずかながら縦書きの仕事はあるということです。

 

ところで、縦書きと横書きではページスタイルを変えるだけじゃないか、簡単じゃないか、なぜあえてここで記事にしたんだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、昔々ワープロとかの時代には句読点は縦書きと横書きで異なったりしていたのも今はなくなりましたから、通常の書類をつくる上ではそうですけれども、議事録作成の場合、縦書きと横書きでは非常に大きな違いがあります。それは数字の記載です。

 

このことについては、用字用例辞典の冒頭の「見方・引き方・使い方」の21ページから記載があります。

基本は漢数字なんですが、例外があり、また、その漢数字である場合でも、「十」などの単位字を用いる場合とそうでない場合が細かく分けられています。

よく使うものを以下に例示します。

 

・平成三十一年度 (※スタンダードな表記)

・二〇一九年 (※西暦は単位字なし)

・五五% (※%のときは単位字なし。ppmなども)

・十・五二グラム (※小数点は「・」で、小数点以下は当然単位字なしで)

・一〇・五二% (※%のときは単位字なしなので、全部単位字なしで)

・憲法第十四条 (※憲法や法律の番号はスタンダードな表記)

・●●に関する請願(第一〇号) (※請願番号などは単位字なしで)

・A4判 (※ローマ字と複合した場合はアラビア数字)

 

これは本当にごく一部で、こんな感じのものが2ページ半ほどみっちり書かれておりまして、私は初めて見たときは気が遠くなるかと思いました。特に%のときは何なんでしょう。私はこれに毎回毎回ひっかかっています。

 

この上、「いっせんごひゃくえん」と発言されたときは、「一千五百円」と記載しなければなりません。「せんごひゃくえん」だと「千五百円」です。アラビア数字で打って変換しようとすると「1,500」では「千五百」にしかなりません。アラビア数字だと表記に差はありませんので、間違いを見落としてしまいがちなところです。これも気をつけなければなりません。

 

もともと日本の文化としては縦書きで、小説なんかを読むとき私は断然縦書き派なんですけど、縦書きの議事録は私は大変苦手です……。正直余りしたくないです。