両方「自棄」で表記できますが、「ジキ」と読む場合は用字用例辞典では漢字表記になります。これまでこのブログで何度もあった、同じ意味で同じ漢字で表記できる言葉は、漢語の場合漢字表記、和語の場合平仮名表記のパターンですね。
例)やけを起こして酒を飲み過ぎてしまった。
自棄を起こして酒を飲み過ぎてしまった。
また、「やけ」の場合は、名詞あるいは形容動詞で「物事が自分の思いどおりに運ばなくて、どうにでもなれという気持ちになり、思慮のない乱暴な振る舞いをすること。また、そのさま。やけくそ。自暴自棄」(デジタル大辞泉より)という意味なんですけれども、これに「に」がくっついて副詞になり「度を越して程度のはなはだしいさま。むやみに。やたらに。ひどく」(デジタル大辞泉より)の意味で用いられる場合も、同様に平仮名表記となります。
例)やけに大きいな。
「やけ」はこの場合でもたまたま同じ平仮名表記なんですけれども、言葉によってはこういうとき表記が異なることもあるので、細かく用字用例辞典を確認することは非常に大事であります。