辞書では一つの項目で記載されているものです。
このほかに辞書では「遇」「逢」でも表記できるように書かれていますが、用字用例辞典では表題の「会う」「遭う」のみ用いるルールです。
ではこれをどう使い分けるかといいますと、用字用例辞典には、「会う」は「応接、対面」の意味で、例として「人・客・時-に会う」「出会う」「出会い頭」「立ち会う」「めぐり会う」とあり、また、「遭う」は、「災難・にわか雨・ひどい目・規制・尋問・いじめ・抵抗・反対-に遭う」とあります。
これではいまいちわかりませんので辞書を見てみますと、そもそも辞書に明確にその使い分けが示されています。
以下、デジタル大辞泉よりそのまま引用します。
1(会う・逢う)
(ア)互いに顔を向かい合わせる。場所を決めて対面する。「客に―・う」「明日、いつもの場所で―・おう」
(イ)たまたま人と出あう。「駅でばったり知人と―・った」
2(遭う・遇う)好ましくないことに出あう。「事故に―・う」「強い反対に―・う」
つまり、「遭う」を用いるほうは、ネガティブな意味ということです。そう認識して見ると、確かに上で挙げた用字用例辞典の例も、「災難」や「ひどい目」など、できれば避けたいようなものばかりですね。
歌詞なんかの詩的なものではたまに「好きな人に遭った」みたいな表現がされていることもありますけれども、辞書に載っている本来の意味からはちょっと外れたものであるようです。
ちなみに、デジタル大辞泉には、上記のように漢字が指定されていない意味として、「立ち向かう。戦う」があり、「決勝戦で―・うチームは強敵だ」という例が挙げられています。何となく用字用例辞典的には「会う」のほうでいいような気はしますけど、用字用例辞典からは読み取れませんし、国会議事録でもそれらしいものを見つけられませんでしたので、もし出てきたら契約している会社等、明確な答えがもらえるところにお尋ねください。(済みません)