「きり」 or 「キリ」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

前の記事の「きり」は、日本語としては「切り」と漢字で書けるか、もしくは「切り」と漢字で書ける言葉が語源でありましたが、きょうは全く異なる「きり」です。

平仮名表記のほうは、漢字だと「錐」、つまり穴をあける工具なんですけれども、片仮名表記のほうは、「桐」と書ける植物と、「ピンからキリまで」の「キリ」があります。

植物の「キリ」はここではちょっと置いておいて、問題は工具と「ピンキリ」のほうです。

 

私は、実はこの記事を書くために調べるまでは、「ピンキリ」の「キリ」は工具の「きり」だと思っていました。「ピン」が細い針みたいなやつで、「太いものから細いものまで」みたいな意味なんだろうと。

ところが、この記事を書くために調べてみますと、「ピンキリ」、つまりは「ピンからキリまで」というのは、「始めから終わりまで。また、最上から最低まで」(デジタル大辞泉より)という意味であり、「ピン」も「キリ」もポルトガル語が語源だというのです。

日本人として生きてきたこの43年余り、完全に勘違いしていました。(恥)

まあ、遅きに失したとはいえ、今知ることができてよかったです。これからも少しでもこのブログを書くことによって、恥をかく機会を減らしていきたいです。

 

ちなみにですが、冒頭で「ちょっと置いておいて」と書いた植物の「キリ」も、一つ表記の例外があって、「桐だんす」のときは漢字表記です。確かに「キリだんす」だと奇妙な感じなので、何だか納得です。