きのうの記事で、用字用例辞典では、「切る」は一つの例外を除いて漢字表記である旨を書きました。
ですから、日本語で「切り」と表記できるものも当然全て漢字表記だろうと最初私は思い込んでいまして、それは間違いであることに気づいたのはこの仕事を始めてからしばらくたったときでした。
しかし、用字用例辞典には、「切る」とは異なり、明確に漢字表記と平仮名表記とで項目が分けられています。
意味は書かれていないんですが、例として、「切り」の項には「切りがない」「切りをつける」、「きり」の項には「これっきり」「行ったきり」「思いっきり」とあります。
これではよくわからないので、辞書で調べてみますと、辞書でも項目が分かれていて、用字用例辞典で漢字表記するほうは名詞で、「区切り。切れ目」(例として「切りのよいところでやめる」等)、「かぎり。はて。際限」(例として「欲を言えば切りがない」)などの意味であり、平仮名表記するほうは副詞で、「《名詞「き(切)り」から転じた語。「っきり」「ぎり」の形でも用いる》体言、活用語の連用形・連体形に付く」とあり、「動作や事物に付いて、その範囲を限定する意を表す」(例として「ひとりきり」「閉めっきりの部屋」等)「これ以上動作が行われないという限度・限界を表す。…を最後として」(例として「先月会ったきり顔を見ていない」等)などと書かれております。なお、辞書でも、後者の「きり」の表記は平仮名のみのように書かれています。(意味は全てデジタル大辞泉より)
要は動詞及び名詞は漢字、副詞は平仮名なんですが、辞書にも書かれているとおり語源が同じのため非常に紛らわしく、うっかり全て漢字で書いてしまいそうになるため、非常に注意が必要な言葉であります。私はいまだに間違いますので、これも当然納品前チェックリストに入れっ放しです。