これも日本語としてそもそも別の言葉です。
「蹴り」のほうは、動詞「蹴る」の活用形です。そして平仮名表記のほうは何かというと、「物事の終わり。結末。決着」(デジタル大辞泉より)という意味の、表記できる漢字のない言葉です。
例)この問題にさっさとけりをつけよう。
なぜこれが漢字表記できないのかというのは、その語源を知ればすぐわかります。
デジタル大辞泉には、意味の前に、「和歌・俳句などに助動詞「けり」で終わるものの多いところから」という記載があります。助動詞「けり」で終わる短歌は例えば「山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり」(古今集より)なんかがありますが、つまり、もともとが助動詞「けり」で、それは漢字表記しないものですから、当然平仮名表記になるということです。
なお、この「けり」は、そもそもが「来(ク)」由来の言葉なので、「蹴」で表記するのは日本語として完全に誤りです。念のため。