「異常」 or 「異状」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

通常、これを意識して使い分けしていらっしゃる方は少ないかもしれません。ですが、辞書でも用事用例辞典でもしっかり別項目となっております。

 

用字用例辞典を見ると、「異常」の意味は「↔正常」、つまり正常の対義語であるという旨が記載されており、「異状」のほうは「普通でない状態」と記載されています。

これではいまいちよくわからないので辞書を見ますと、「異常」は「普通と違っていること。正常でないこと。また、そのさま」、「異状」は「普通とは違う状態」とあり、ますますわからなくなってきます。

 

が、車を運転する方の中には、「異状」の表記をよく目にされている方もいらっしゃると思います。よく道路に設置されている情報表示板で、特に通行どめや渋滞等の道路に関して伝えるべき情報がないとき、道路に何か落下物や倒木等があった場合は連絡してくださいという内容が表示されていることがあります。その内容が、私の住んでいるところの近辺だけかもしれませんが、「道路の異状を見つけたら道路緊急ダイヤルへ」となっているのです。まさに「道路の普通ではない状態」ですね。

このほかにも、国会議事録で検索しますと過去5年間で23件ほどがヒットし、「装具の異状」「家禽の異状」等で使われているようです。

 

というわけで、上記に記載したとおり国会議事録でも5年で23件と、圧倒的に「異常」であることのほうが多いのですが、「異状」であることもまれにあります。ちょっとだけ心にとめておくと、役立つこともあるかもしれません。私も道路の関係で何度か役立ったことがあります。