これまでこのブログに何度も出てきた、そもそも日本語として別の単語だけれども、同じ音で同じ漢字を含み、意味も何か似たものがあることから、うっかり変換ミスを見逃してしまいそうになるものです。
「苦渋」は「苦くて渋いこと」「苦しみ悩むこと。また、そのさま」、「苦汁」は「苦い汁」「つらい経験」という意味です。(意味は全てデジタル大辞泉より)
こう意味を見ると間違いようがないようにも思えるのですが、ではこの表現の場合はどちらの言葉でしょうか?
例)あのときの判断ミスでクジュウを飲むこととなった。
あのときの判断ミスでクジュウを味わうこととなった
一瞬考えてしまいませんでしょうか。私にはわからなくて、とりあえず用字用例辞典を引きました。
答えは、「飲む」のは「汁」で、「味わう」のは「渋」です。
つまりは、
例)あのときの判断ミスで苦汁を飲むこととなった。
あのときの判断ミスで苦渋を味わうこととなった。
このように同じような表現で使われることがある上に、しかも表記の違いが用字用例辞典上の問題ではなくて、そもそも日本語としての誤りとなりますから、注意が必要な言葉であります。