「孔」 or 「坑」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

どちらも読みは「コウ」です。

デジタル大辞泉では、「孔」は、漢字自身の意味しか記載がありませんが、「穴」の意、「坑」は「地中に掘った穴。鉱山の穴を指す場合もある」とあります。「坑内」のほうが若干限定的ではありますが、つまり両方穴の意味であるわけです。

トンネル工事の話のときはこれが入りまじってあらわれることもあるため、非常に厄介です。

 

例)トンネル内に設けたボーリングに調査機器を設置する予定としております。

 

はい、ここで「おや?」と思った方もおられるでしょう。冒頭で書いた意味で「坑」は地中に掘った穴」となっているのに、「地中に掘った穴」である「ボーリング孔」は「坑」ではないのかと。

私もいまいちよくわからないのですが、こういう表記を用いることになっているようです。超個人的なイメージでは、人が通れるような大きい穴は「坑」なのかなという気はしますが、はっきりしたことはわかりません。

ただ言えるのは、上記で挙げたトンネルと鉱山の穴は「坑」で、ボーリングの穴は「孔」であります。どちらかわからないものはとにかくネットで検索して、検索件数が多いもの、あるいは何らか信頼できるソースがあるほうを用いています。個人のブログなんかに記載されているものは、誤字であることもあるので注意が必要です。おっとこのブログもですね。皆様お気をつけください。

 

あと、若干蛇足的なことですが、もし「坑」を用いた語句で変換候補にない場合、漢字を個別に変換する必要がありますが、「コウ」で変換すると、恐らく「坑」の字よりも「抗」のほうが上位に出てきます。そこで、私だけかもしれませんが、うっかり間違い変換して「抗口」などという存在しない語句を記載して納品してしまうこともあり得ますので、注意が必要であるかもしれません。少なくとも私にとっては注意が必要です……。(やらかした経験あり)