「走り」 or 「はしり」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

用字用例辞典で平仮名で書く場合も、辞書では「走り」の項に含まれている意味で、まさに使い分けな言葉です。

まず「走り」の意味を辞書で調べますと、「走ること。また、走り方」「滑らかに動くこと。また、そのぐあい」「野菜・果物・魚などの、出回り期の最初に出るもの。走り物。初物」「ある物事の初めとなったもの。先駆け」(デジタル大辞泉より・このほかは古典的な意味のため略)とあります。

そして、用字用例辞典を見ますと、こちらには「走り」の項はなく「はしり」しかないのですが、そこには、意味として「初物」、用例として「カツオのはしり」と書いてあります。

 

つまり、上記の辞書にあった意味のうち「野菜・果物・魚などの、出回り期の最初に出るもの。走り物。初物」は間違いなく「はしり」と平仮名表記なのですが、その次の「ある物事の初めとなったもの。先駆け」も、用字用例辞典にはピンポイントでの記載はないものの、「初物」と近い意味のような気がします。

それで、こちらももしかしたら平仮名表記でいいのではないかと今度は国会議事録を検索してみますと、過去5年分を調べた限りでは、予想どおり「ある物事の初めとなったもの。先駆け」の意味の場合も全て平仮名表記されていました。

ということで結論としては、「はしり」と平仮名表記するのは、「野菜・果物・魚などの、出回り期の最初に出るもの。走り物。初物」「ある物事の初めとなったもの。先駆け」の二つの意味の場合でよいと考えていいと思います。(用字用例辞典に記載はないですが、ソースがチェックの厳しい国会議事録なので、大丈夫かと思います)