時間の記載について | ある在宅ワーカーのつぶやき

ある在宅ワーカーのつぶやき

みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

日本で時刻を記載する方法は、幾つもあります。

12時10分ですと、ぱっと思いつくのは、とりあえず「12:10」「PM0:10」「12時10分」「午後0時10分」ぐらいでしょうか。

そしてこれらの表記の方法は一つに定まっておらず依頼主によって異なりますので、オーダーに合わせて表記する必要があります。

 

とはいえ、会話中に出てくるのは、ほぼ「12時10分」でよいでしょう。数字部分が半角か全角かは、その顧客のルールによって異なるとは思いますが、その程度の違いだと思います。

じゃあ何が問題になるかというと、会議の開始時間、中断時間、再開時間、終了時間の記載がある場合です。

 

依頼主によっては、上で挙げた時間を、冒頭や議事録の途中、最後に記載する場合があります。

その表記の仕方がまあ本当に多種多様です。私がこれまでにやったことのある表記を挙げますと、

 

午後1:00

午後1時0分

午後1時 0分(※「時」と「0」の間にスペースが一つ入る)

午後1時00分

午後 1時00分(※「午後」と「1」の間にスペースが一つ入る)

午後 1時 0分(※「午後」と「1」、「時」と「0」それぞれの間にスペースが一つずつ入る)


そしてさらに、時間が12時間制ではなく24時間制になっているパターンも存在します。加えて、「数字が全部半角」あるいは「数字が2桁以上は半角」という縛りのある場合もあり、ただ時間を記すというだけのことなのに、恐ろしい数のパターンが存在します。

そして依頼主のオーダーをきちんと確認して正しい表記をしたとしても、時間の表記にはさらなる落とし穴があります。
それは、依頼主から示された時間の表記方法が、議事録ですべき表記方法と異なる場合です。
例えば議事録では12時間制で表記すべきところを、依頼主はとりあえず24時間制で記したものを資料として渡されることがあります。それを見て漫然と時間を記載すると、下手をすると、「午後14時10分」などという存在しない時間を記載してしまうこともあるかもしれません。あるいは、昼間に行った会議なのに終了時間を「午後11時50分」などと記載してしまうこともあるかもしれません。

 

これを回避する方法としてはもう気をつける以外に手はないのですが、小難しい会議や嫌な内容の話し合いを中断したところなんかは、会話を正しく起こすことだけに集中してしまって、ついそういうところがおざなりになってしまうことがあります。私だけかもしれませんが。

 

そういう致命的うっかりを避けるためには、音声の合間合間に時間をその都度確認するだけでなく、何らかの形で抽出して時間だけをまとめて確認できるようにするのが一番効果的です。一番簡単なのは、「休憩」などの時間を記載した部分に必ず出てくるであろう言葉で最初から全文を検索し、依頼主の時間メモと合っているか突合することでしょう。私は会社提供のチェックシステムを用いて、時間の部分だけを抽出していますが、そういうのがあれば利用されたらより効率的でしょう。

 

まあとにかく、午前中に行った会議なのに終了時間が午後11時50分になっていたら、対価をいただいて作成している議事録としてアウトです。会議の名前や日付を間違う次ぐらいにまずいことでしょう。細かいことですが、間違いのないようしっかりとチェックをしていきたいです。