きのう「絡める」と「からめる」の使い分けについて触れましたが、きょうもその関連になります。
きのうと同じく、平仮名表記するのは漢字で書くとすると「搦」と書くほうですが、きのうが動詞だったのに対してこちらは接尾語になります。
例)予算の絡みがありますので、今すぐの実現は難しいです。
最初に来られたのは、50がらみの男性だった。
上の例の「絡み」はよく使われる言い回しでしょうけど、後者の「がらみ」は余り聞かない言い方ではないかと思います。国会議事録を「がらみ」で検索しても、「しがらみ」か、「絡み」の間違いと思われる表記がヒットするばかりです。
というわけで「がらみ」を辞書で調べてみますと、これまた「からめる」と同様に「絡み」と一緒の項目で記載されている上、こちらには特に使い分ける旨が明記されていないのですが、用字用例辞典にある「がらみ」の意味「見当」「ぐらい」からすると、「年齢や値段をあらわす数詞について、大体その見当、その前後であるという意をあらわす」(デジタル大辞泉より)という意味の場合、用字用例辞典では「がらみ」と表記するものと考えられます。
つまり、上記の例は「最初に来られたのは、50ぐらいの男性だった」と言いかえられます。また、「1,000円がらみの品」などという言い方もされるようです。
ほとんど「程度」や「ぐらい」、「前後」という言い方をされることが多いですし、通常の会話では「絡み」と表記されるほうが圧倒的に多いと思いますけれども、年齢のほうでの「がらみ」もたまに耳にすることもありますので、ほぼ「絡み」でよいけれども違うこともあるぐらいの認識でいらしたらよいのではないかと思います。