平仮名で書いているほうはもちろん砂糖を焦がしたものではなく、動詞の「からめる」です。漢字で書くとすると「搦」です。
私はこれまでちゃんと使い分けをしていなくて、全部「絡める」にしており、この仕事を始めて用字用例辞典を引いて初めて使い分けが必要であることに気づきました。
辞書で調べてみますと、「絡」「搦」のどちらの表記もひっくるめて一つの項目の中で書かれていますが、その中でちゃんとどう使い分けるべきであるかが記載されています。
デジタル大辞泉より意味をそのまま引用しますと、
1 しっかりと巻きつける。
2 密接に関係づける。
3 粉状のものや粘り気のあるものを全体によくつける。
4 (搦める)ひもなどで縛る。捕らえて縛る。
5 (搦める)登山で、障害物や通行困難な場所を避けたコースをとる。
となっております。
まあ5の登山の話は通常出てこないでしょうから置いておいて、要は「縛る」のときは用字用例辞典では平仮名表記で、それ以外のときは「絡める」であることがわかります。
例)これからどのような活動を行っていくべきかを、昨今の環境問題と絡めて話をした。
何とか犯人をからめ捕ることができた。
からめ手から攻めた。
さて、「からめ捕る」はいいとして、最後は明らかに「縛る」という意味ではありませんね。
これは、「からめ手」がそもそも単語でして、私は意味を勘違いしていたのですが、「城やとりでの裏門。陣地などの後ろ側」「相手の弱点。相手が注意を払っていないところ」などの意味があるようです。
なお、その対語が「大手」で、一般的にはその業界で大きい会社みたいなイメージが強いでしょうけど、「からめ手」の対となる意味としては、「城の正面。また、正門。追手」「敵の正面を攻撃する軍勢。追手」(全てデジタル大辞泉より)などの意味があるようです。お城なんかの「大手門」はまさにこの意味ですし、地名で「大手門」「大手町」とあるのもかつては城の正門の近辺だったからのようですね。
「からめ手」を私は、「あらゆる手法を使って」みたいな意味だと勝手に思っていたんですが、この記事を書くことによって間違いが正せてよかったです。不惑過ぎてもこんなのばかりのような気もして非常に残念ですが……。