「目的を達する。果たす。なしおえる」「最後にそのような結果となる」(ともにデジタル大辞泉より)という意味の言葉です。
デジタル大辞泉の例を引用しますと、「志を遂げる」「思いを遂げる」「非業の死を遂げる」「急成長を遂げる」とありまして、こういうのはまあそんなに間違わないだろうと思うんですが、問題はほかの動詞と一緒になって複合動詞になっているときです。
例)最後までやり遂げることができてほっとした。
複合動詞というと「試しにやってみる」の「みる」のように平仮名表記になるものが多いのでつい平仮名で書いてしまいそうになりますが、この「遂げる」は用字用例辞典によると漢字表記です。
さらに、
例)困難な任務をなし遂げた。
の場合、以前「成る」と「なす」の使い分けで述べたとおり動詞の「なす」は平仮名表記なんですが、「遂げる」の漢字表記に引きずられて「なし」を漢字で書きそうになってしまうので、注意が必要なのではないかと思います。