「貸し付け」 or 「貸付」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

前の記事でしれっと例の中に表題の二つを紛れ込ませていましたが、解説が抜けていたので。

とはいっても、前の記事ほと複雑ではなくて、基本は「貸し付け」で、例外表記として「貸付」と送り仮名なしというように用字用例辞典では記載されています。

 

され、その例外がどういう場合かといいますと、例えば「貸付金」です。用字用例辞典では「貸付《金》」という形で例示されておりますが、これは用字用例辞典冒頭の「見方・引き方・使い方」を見ると「中の語を他の語で置きかえた場合にも送り仮名を省く」となっていますので、「貸付金」に限らずこういうパターンは送り仮名なしということになります。

用字用例辞典の「見方~」とのところで挙げられているものは「貸付額」「貸付限度」ですが、国会議事録で検索すると「貸付制度」「貸付契約」「貸付内容」「貸付件数」なんかもいいようでした。つまり名詞とくっつけば送り仮名なしという感じでしょうか。

これは結構注意が必要で、以下の例のように両方の表記が入りまじって出てくることが非常に多いです。

 

例)市内で起業する人のために、平成29年度より新規事業により起業資金の貸し付けを行うこととなった。貸付金額は事業費の3分の1、500万円を上限とし、貸付期間は10年間である。貸し付けに当たっては書類とヒアリングによる選考が行われる。

 

前も何かで書いた気がしますが、こういう物によって送り仮名が要る・要らないに分かれるパターンは結構あります。先日の「つく」の記事でも書きましたように、用字用例辞典の例外表記の確認は必須です。