少し前に記事にした「実体」or「実態」同様、全く別の言葉なのに、1文字同じかつ近い意味でもあるので、うっかり変換間違いをした上にその間違いを見逃してしまいがちなものです。
デジタル大辞泉によると、「解放」は、「束縛されたり、制限されたりしているものを、解き放して自由にすること」という意味であり、「開放」は、「門や戸などをあけ放すこと。あけたままにしておくこと」「制限をなくして、自由に出入りさせること」等の意味であります。
意味は違うんですが、両方とも意味に「制限」「自由に」という言葉が入っているのがわかりますね。
私がよく悩むのが、「市場カイホウ」です。
というのが、この意味を調べると、「関税や、輸入数量割り当てなどの輸入を制限するような事柄(非関税障壁という)をできるだけなくし、外国の企業や製品が進出しやすくすること」(学研ニューワイド学習百科事典より)とあります。これが、上に記載したデジタル大辞泉による意味、「制限されたりしているものを、解き放して自由にすること」「制限をなくして、自由に出入りさせること」のどちらでもおかしくないような気がするからです。
ちなみに正しい表記は「市場開放」で、用字用例辞典には「開放」の例示としてしっかり載っています。
このほかにも、「カイホウ感」、「通信回線カイホウ」など、迷うものが多いです。
(正解は、「解放感」「通信回線開放」です)
用字用例辞典にたくさん例が載っていますので、まずそれを見て、そこでわからなければ国会議事録で検索するなどして確認したほうがよい言葉であると思います。
よく聞く簡単な言葉のはずなのに、一々辞典を引かないと間違ってしまいそう。
日本語は難しいと改めて感じさせられる言葉です。