「滑り」 or 「すべり」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

動詞の「滑る」は基本的に漢字表記です。

ではなぜここで表題をあえて「or「すべり」」としているかというと、用字用例辞典で例外表記として「地すべり」「すべり面」が挙げられているからです。

「すべり面」とは、地すべりが発生する境となる面でありますから、つまりは地すべり関係の用語です。土木技術的な話の中ではよく出てくる言葉です。

 

なぜ「地すべり」だけが平仮名表記なのかと思ってちょっと調べてみたのですが、ウィキペディアに、本来は「地辷り」だが「辷」が常用外なので地すべり学会では「地すべり」と表記している旨記載がありましたのみで、そのソースが見つけられなかったので真偽は不明です。ただ、地すべり学会の学会誌に載っていた論文によると、1890年代に複数の先生が論文にて「地辷」と表記したのが「地すべり」の語源ということではありました。

なお、辞書では「辷」は「すべる」の表記の一つとして、「滑」と並べて記載されております。「地滑り」と表記されていることも見かけますが、用字用例辞典上は「地すべり」と表記することになっています。

 

数年前大きな災害があって以来、法律が改正されてこの言葉をよく耳にするようになった気がします。

これから多くの場所では梅雨の末期に入りますが、ニュース等でこの言葉を耳にすることがないよう願って、本日の締めといたします。