昨日に引き続き、使い分けというよりそもそも意味が違うシリーズです。
これも、これまで私は余り意識して使い分けてきませんでした。仕事を始めてしばらくして気づいた、実は難しいシリーズの一つでもあります。
辞書を引きますと、「陰」と「影」は同語源ですが、別の項目として書かれてあります。
辞書から意味を引用しようとしたのですがすごく長くなる上にわかりづらく感じたので、今回はデジタル大辞泉に載っている用例を引用してみます。
<陰>
・木の陰で休む
・戸の陰に隠れる
・月が雲の陰に隠れる
・陰で悪口を言う
・陰で支える
・事件の陰に女あり
・陰の取引をする
・どことなく陰のある人
・陰の祭り(※正式なものに対する略式の意)
<影>
・月の影
・木陰にまたたく灯火 の影
・湖面に雲の影を落とす
・どこへ行ったのか子供たちの影も見えない
・夕日に二人の影が長く伸びた
・かすかに昔日の影を残す(※面影の意)
・忍び寄る死の影
・社会に暗い影を落とす事件
ああ、これは用字用例辞典の記載のほうがシンプルでわかりやすいかもしれません。
「陰」は「目につかない、暗い部分」で、「影」は「光が遮られて映る跡」「物の姿」「面影」です。
とはいえ、辞書に例として挙がっている「木の陰で休む」なんかは「影」と間違えてしまいがちなのではないかと思います。
私もいま一つまだ区別ができていないので、この言葉が出てきたらとにかく用字用例辞典を確認することにしています。