きのう「割引」の記事で「「割」は難しい」と書きましたが、「割引」だけではなくて実は「割」自体が難しいです。
というのが、まず用字用例辞典には、「わり」という読みで「割」の漢字を使う言葉が二つに分けられて項目立てされています。
そのまま引用しますと、
「割(わり)」 割がいい 割を食う 値段の割には 学割 役割 均等割 所得割 人頭割 3割5分
「割り」 動詞の意識の残っている場合 頭割り 縦割り 月割り 時間割り
「人頭割」「頭割り」なんてどうすればいいのか悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですので、実際の用例を挙げてみます。
例)介護保険料の算出には、現在のところ健康保険組合などの加入者数に応じて頭割りにする方法が採用されている。
介護保険料の算出には、現在のところ健康保険組合などの加入者数による人頭割が採用されている。
上記の例は二つとも同じことを言っていますが、「人頭割」は、頭割りにして算出する方法の呼び名、つまり完全に名詞であることがおわかりいただけたのではないかと思います。
とはいえなれるまでは微妙な判断になるかと思いますので、「割」を用いる言葉が出てきたら、まず用字用例辞典を引いてみる、載っていなければ国会議事録を検索するという手順を踏んで確認することをお勧めします。