「格差」 or 「較差」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

ちょっと微妙なところのある使い分けです。

 

これら二つの言葉は、そもそもが辞書には別の項目として記載されています。

「格差」は、「資格・等級・価格などの違い。差」の意味で、「較差」は、本当は「こうさ」と読むのですが慣用読みとして「かくさ」と読むこととされており、意味は「二つ以上の事物を数量的に比較したときの差。最大と最小との差」「ある期間内の最高気温と最低気温との差」です。(ともにデジタル大辞泉より)

つまり意味が微妙に異なりますね。

通常会話に出てくるのは、気象絡みの話でない限りは「格差」のほうが圧倒的に多いです。

 

例)日本でも、どんどん人々の生活の格差は大きくなってきている。

  盆地は気温の日較差が非常に大きい。

 

ところが、用字用例辞典の「格差」の項には、以下のとおり注記があります。

 

「較差(人事院の給与勧告)」

 

何でだろうと思い調べましたら、人事院勧告では通常「格差」と表記しているであろう部分でなぜか「較差」が使われていました。

以前「徴取」と「徴収」の使い分けで法律がそうなっているから仕方がないみたいなことがあったかと思いますが、「較差」も人事院勧告がそうなっているから仕方がないということで、理屈抜きで覚えるしかないです。