「運航」 or 「運行」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

ある在宅ワーカーのつぶやき

みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

これはうっかりミス注意な言葉です。
説明をする前に、とりあえず例を挙げてみましょう。

例)東京行きの新幹線は順調に運行している。
  羽田行きの空の便は順調に運航している。

例でごらんになられたとおり、この二つの言葉の持つ意味はほとんど一緒です。
それでは何が異なるかというと、「運航」のほうは船と飛行機に限定されて使われるということです。
これは、用字用例辞典だけではなくて辞書にもそう載っています。つまり一般的にそうであるということです。

ですからわかってはいるんですが、「施工」「施行 」同様に漢字1文字と音が一緒な上に意味まで同じなので、変換ミスを見過ごしてしまいがちです。
簡単だと思われるような言葉までこのようなわなが潜んでいるので、仕事のときは少しも気が抜けません。気を抜くと何か間違いをしてしまうことになります。

さらにこの言葉にはもう一つ触れておきたいことがあります。
少し話は変わりますけど、上で「運航は船と飛行機に限定」と書きましたが、「運行」は、天体や人工衛星にも使われます。
デジタル大辞泉の解説をそのまま引用しますと、

惑星・衛星・彗星などが、その軌道上を運動すること。「地球の―」

ということのようです。
これは「この年にして知った言葉」でした。(もしかしたら学校の理科などで習ったかもしれませんが)
日本語はほんとうに難しいですね。