これもまた、前の記事
とのつながりです。
「まして」と平仮名で記載するほうは、「した」の丁寧語「しました」の活用形を指すものではありません。とりあえず例を挙げてみましょう。
例)ただでさえ寒いのに、まして雨の中で外遊びをしたら風邪を引いてしまう。
それを行うことの重要性は前にも増して高まっている。
「増す」が漢字だったので「まして」と発音すると全て漢字かと思いきや、使い分けが必要になります。
この例を見ただけではどう使い分けるのかわからないかと思われますので用字用例辞典の記載をよく見てみますと、「まして〔況〕 まして雨の日には ましてや」「(にも)増して」と記載してあります。
……というか、これだけしか記載してありません。
個人的には、文頭や読点の後にあるものは平仮名で「まして」、そうではないものは漢字で「増して」という判断をしております。
なお、圧倒的に「まして」の平仮名表記のほうが多いので、「増して」の場合もつい平仮名表記してしまいそうになります。その点でも注意が必要です。