さらに難しいのが来ました。
全て、最初の「電気」にかかわる言葉なので非常に厄介です。一つ一つ解説しましょう。
辞書(デジタル大辞泉)によりますと、「電気」は、「摩擦電気・放電・電流などの現象。また、その主体である電荷や電気エネルギー」「電灯のこと」「電力のこと」です。
「電器」は、「電気器具の略」です。
「電機」は、「電力によって動く機械。電気機械」です。
「電気」については問題ないでしょう。
問題は、「電器」と「電機」です。
この二つの言葉は要は、「電気器具」と「電気機械」、つまり同じ電気を使って動くものでありますが、「器具」と「機械」で異なるものであるということです。
このヒントは、きのうアップした「機械」「器械」
の記事にあります。
「機械」は「動力、仕掛けのあるもの」、「器械」は「器物、道具」であると記載しました。この「器械」と「器具」はほぼ同様の意味でありますので、「電気器具=電器」のほうが、より構造の簡単なものであると理解したらよいのではないかと思われます。
とはいえ、具体的にどこまでが「電気器具」なのかは、微妙なところです。
用字用例辞典を見てみますと、以下のような例が挙がっています。
電器:家庭電器、電器店
電機:電機工業、軽電機、重電機、電機メーカー
何となく家庭で使われているようなものは「電器」、企業関係は「電機」にしたらよいような気がしますが、同じく用字用例辞典の記載で、「電気」の例として「家庭電気製品」「電気屋」などとも載っていて、見ているとますます混乱してきます。
「でんき」という発言があったときは、用字用例辞典を引くか、国会議事録を検索するということで、とりあえずそれだけ覚えておかれたらよろしいかと存じます。