私が学生のころよく見ていた番組「タモリ倶楽部」の中に、「空耳アワー」というコーナーがありました。
ざっくり言うと、「英語の歌が日本語でこんなふうに聞こえる」という視聴者投稿を紹介するコーナーで、クスっと笑えるものからそれは完全に気のせいだろうというものまであり、その雑多な感じ含めて非常に好きなコーナーでありました。
それとは大分異なるんですが、「発音は異なるのになぜか同じに聞こえて書き間違えてしまう」ものについて、「表記のこと~空耳アワーのお時間~」というカテゴリを追加することといたしました。
ちなみにタモリ倶楽部は、この記事を書こうと思って調べてみましたところ現在も継続しているようですので、気になった方はぜひごらんになってみてください。(ただし、深夜番組ですので下ネタ注意です)
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表記のものは、「チョウシュ」と「チョウシュウ」ですが、クリアな音声での滑舌のよい方の発言であっても、ほとんど明確に聞き分けることはできません。音声の状態の悪いものや滑舌の悪い方の発言であれば、もはや聞き分けることは不可能と言ってもいいでしょう。
しかも、意味も大して違いがありませんし、発言する側も混同している場合があり、非常に記載に迷います。
「徴取」は、用字用例辞典によると「求める」の意味で、用例としては「担保の徴取」「事業計画の徴取」「報告の徴取」と載っております。
そして「徴収」は、同じく用字用例辞典によると「取り立てる」の意味で、デジタル大辞泉を見ると主に金銭に対して使われることが多いようですが、用字用例辞典では「報告の徴収」という用例が載っております。
この二つの言葉の用例を見て、「あれ?」と思われた方も多いかと思います。そうですね、「報告の○○」が両方に用例として載っておりますね。
これは、用字用例辞典ではその用例の直後に注記で、「法律により異なる」といった意味のことが書かれてあります。
つまり、「報告の○○」とあったときは、「法律の文言を調べて確認することが必要」ということになります。非常に面倒な言葉ですね……。
ちなみに、例を挙げようと思って調べてみたところ、例えば金融商品取引法では「報告徴取」、再生可能エネルギー電気特別措置法では「報告徴収」で、ネットでヒットする件数は「報告徴収」のほうが圧倒的に多いようです。