時間のかかる仕事トップ5 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

標記のことに触れたくなったので、カテゴリを追加しました。
正直に申しますと、本日納品した仕事が、非常にやりにくかったからであります。
やりにくい仕事ですと、通常の仕事より余計に時間がかかりますが、今回の仕事は4倍ぐらいかかってしまった気がします。
それは具体的にどういうことで時間がかかるものなのか、ここでお話しさせていただきます。
(なお、以下の項目はあくまでも個人的な感想に基づいたものですので、人によって違うと思います)


<時間のかかる仕事トップ1:音声の状態のよくないもの>

これは飛び抜けてやりづらいです。
具体的にどういうことかといいますと、要は安いICレコーダーで録音したものです。
安いICレコーダーの音声がどういうものかといいますと、

(1)声よりノイズのほうが大きい
  単なる雑音を拾っているわけではなく、常に「ザー」という感じの音が入っていることも多くあります。
  また、紙をめくる音で声が聞こえないことも非常にしばしばあります。
  →お値段の高い性能のよいICレコーダーの音声は、ノイズはほとんどなく、近いところで起こった雑音よりも遠くの声を大きく拾ってくれています。

(2)声の判別ができない
  よほど特徴ある声や話し方でないと、判別は困難です。男女の判別すらできないこともあります。
  テープ起こしでは大抵発言者を特定して記載する必要があるので、非常に困ります。
  →お値段の高い性能のよいICレコーダーの音声は、大抵声で発言者が特定できます。

(3)そもそも声がほとんど拾えていない
  少し小さな声になると、何かしゃべっているけどその会話自体の内容は全く聞き取れないなんていうこともあります。
  →お値段の高い性能のよいICレコーダーの音声は、ぼそっと発したひとり言まで拾ってくれることもあります。


<時間のかかる仕事トップ2:説明資料のないもの>


会議によっては、出席者名簿や説明に使用した資料がないものがあります。これはかなり困ります。
なぜかといいますと、人の耳は自分の聞きなれた言葉に変換してしまうことがありますし、聞きなれない言葉は聞き取れないからです。
よって、資料がないと、正確性が少し劣る、また、聞き取れなかったことによる空白の多いものが納品される可能性が高くなります。
もちろん正確に記載できるように、何度も聞き直したり聞こえた音で検索をかけたりはするのですが、時間もかかりますし、資料を見ながらの場合に比べるとクオリティーが低いものになることは否めません。


<時間のかかる仕事トップ3:固有名詞の多いもの>

これはトップ2の資料のないものとも関連するのですが、固有名詞も、東京都とか誰もが知っているものならよいのですが、字や集落名などになると検索してもなかなか出てきませんので、単純に調べ物で非常に仕事に要する時間が長くなってしまいます。
ちなみに、この固有名詞で最もやりづらいと私が感じているのが、道の名前です。
国道や県道はいいのですが、市道、町道、村道になると、「市道○○○○線」と、道の始点と終点の地名が名前に入っていることがほとんどで、それがしかも大変ローカルな地名であることが多いですから、検索してもまず出てきませんので、片仮名表記になることが大変多いです。


<時間のかかる仕事トップ4:専門用語が多い>

これもトップ2の資料のないものと関連するのですが、技術的な内容の会議になると、説明資料があっても、そこに記載されていない専門的な内容が出てくることもありますので、その専門用語を表記するのに全て調べなければなりません。
また、意味もわからなければ正確な記載はできませんから、その意味も考えながらやることになりますので、これまた非常に時間がかかることになります。
ただし私は、聞き取れなかった言葉が理解できた瞬間が気持ちいいので、専門用語のある会議は結構好きです。
なお、今まで一番やりづらかったのが、専門用語の単語がほとんど英語の講演会でした。これは今までで一番時間がかかったと思います。


<時間のかかる仕事トップ5:会議というよりも悪意のぶつけ合いである>


これは上記の四つとは毛色が違いまして、聞いていると気がめいってくるのでやる気が起こらないというパターンです。時間がかかるというよりは、苦手と言うほうが近いでしょうか。
しかも、守秘義務がありますからその気持ちを誰にも話せないというおまけつきです。
仕事なので割り切ってやらなければと思うのですが、なかなかうまくできないですね。


まあ、トップ5というか、3と4は2の資料があれば解決するものなので、問題は1と2と5ですね。
ちなみに、本日納品した仕事は、1と2を兼ね備えた、しかも音声の状態がこれまでやった中で最低のものでした。
よい音声のものは、1時間の音声で聞き取れなかった部分が10個未満になることもよくあるのですが、今回はなんと300弱も聞き取れない部分がありました。
聞き取れなかった部分は少なくしたいのですが、間違ったことを書くのが一番いけないので、納品物のクオリティーとして非常に不満があるのですが、納品せざるを得ませんでした。

そしてこれを受け取ったお客様も、その300弱の部分は自分で録音を聞いて補完しないといけませんでしょうから、非常に手間がかかるのではないかと思います。
5はもうどうしようもないのですが、もし発注側の方がここを見ていらっしゃるなら、1から4についてはぜひ考慮していただきたいと思います。
そのうち特にトップ1のICレコーダーは、ぜひよいものを購入するようによろしくお願いいたします!

(※最後のことがどうしても言いたかったので、この記事をアップしました)