先日は、アフリカンダンス&ドラムのライヴに行ってきた。
会場は、200人ほどで満員になるような小さなホール。
舞台があるわけではなく、出演者と観客席の段差はない。
正面を囲うように椅子が置いてあったのでその空いたスペースでダンスを踊るのだろうと想像がつく。説明があったので分かったのだが、その椅子は優先座席のようで、このライヴはアフリカのある村をイメージしたライヴにしたいので、基本的には立ったままで足踏みをしながら見てほしいとのこと。なるほど、と思って今座ったばかりの椅子から立ち上がる。
楽器は、ジャンベ(ジンベ)という太鼓と、楽器の名前は分からないが二つの太鼓がセットになっていてスティックで叩く太鼓。これだけ。
ジャンベを叩き始めると少し肌寒い季節であっても灼熱の太陽のアフリカが創造できる。おそらくアフリカのある村ではこのホールと同じように木陰で村人達が集まっているのだろう。
ダンスは、素人が見ても難しいものではない。足を踏みしめ手を伸ばしたり縮めたりしている。少し教えてもらえばすぐにでもできそうな感じ。それに、あまり完璧に合わせなくてもいいようだ。
曲の間に説明があった。
アフリカンダンスは、基本的な振り付けはありますが、きっちり合わせる必要なないので少しくらい形がそろってなくてもそのままやってもらっています。ということ。
僕らは、普段の生活でも何かを皆でそろえる時は、なるべく細部まで合わせようとしてしまう。特に人前で何かを表現する時は、合わせた方が気持ちのいいものだ。このアフリカンダンスは、合わせなくてもいいとのこと。一人ひとりのダンスに個性があっていいし、合わせることより自分の内面から表現することの方が大事なのだと思う。その説明に妙に納得してしまった。
ダンスが盛り上がってくるとお客さんから手拍子が湧いてくる。それにつられてダンスも激しくなる。そうやって盛り上がってくると、ほとんど必ずジャンベの音が大きくなり、なんとテンポが速くなる。ジャズをやっていると曲の途中でテンポが速くなると、未熟と評価される。僕も走りがちなので自分の演奏が速くなったかどうかが気になり、演奏が終わると周りの人に確認している。
ただ、魂の踊りであるアフリカンダンスではダンスが完璧にそろってなくてもOKだし、曲の途中でテンポが速くなっても問題ではない。いや、盛り上がってジャンベの音が大きくなるとテンポが速くなるのが自然だと思えるようになる。人間の感覚としては、盛り上がることとテンポが速くなるということはイコールではないかと思う。
もしも、遠い将来自分でジャズコンボのリーダーをすることがあったら、わざと曲の途中でテンポを速くする演奏をしてみたいものだ。ジャズとよく知っている人だったら「走っている」と笑うかもしれないが、音楽を聴き慣れてない人であれば、「盛り上がった」と感じるのではないか。
「自分の中にある何かを伝える。」
簡単なようだが、実はシンプルすぎて逆に難しいのかもしれない。