先日、イ・ブル展に行ってきた。
イ・ブルは、韓国の女性美術家。
たまに芸術に触れたくなる。今回は現代アートに触れたくなり六本木ヒルズの森美術館に行くことにした。
チケットを買って案内に従って進んでいくとエレベーターで一気に53階まで上がる。
そしていざイ・ブル展へ。
広い空間の会場の中に入ると突然、目の前に見たこともない造形物が目に入る。
この人、変態か?
肌色ともピンクともいえないような色で毛の生えていない子豚の足のような物体の固まりが目の前に飛び込んでくる。
グロテスクという表現は適切ではないかもしれないが、思わず手を口に当てたくなる。
一番、刺激的だったのはサイボーグを吊り下げている部屋。その部屋は明かりをギリギリまで落として、何となく空気が冷たい。その空間に真っ白なサイボーグが宙に浮かんでライトに照らされている。しかもそのサイボーグは足や首がなかったり、まともではない。サイボーグ以外の未来の生物なのかロボットなのか、そんな造形物も全て一本のワイヤーで釣られている。この空間の全部の展示物をよく観て回りたいところだが、この場から早く立ち去りたいという気持ちにもなる。
音と映像の部屋もあった。前後左右がスクリーン。ある人物をいろいろな角度から撮っている。画像は、なんの脈絡もない田舎の家でたたずむ老婆だったり、ドラムをがむしゃらに叩くかなりキモイ男性だったり、訳は分からない。そこで前を見ていると左右のスクリーンは何となく目に入るが、後ろのスクリーンは何が移っているか分からなくなる。だから後ろを振り向く。そうすると前が気になる。そんなことを繰り返す。何度かそんなことをやっているといきなり目の前に病院のベッドに横たわった肥満体の外国人男性の顔がドアップで映し出された。
僕は、すぐにその部屋を後にした。
楽しかったのは、床全面が鏡の部屋。その部屋に入る前に女性注意の注意書きが貼ってある。なるほど~。
床が鏡だと造形物が全て床にも映し出されることになる。それを覗き込むのがまた楽しい。
その部屋に3メートル四方の岩のようなものが展示されていた。見た目にインパクトはない。後ろに回ると人が入れるほどの空間があり、覗き込むと2~3人入れるスペースとヘッドフォンが掛けてあった。興味本位でヘッドフォンを掛けてみた。音は聞こえない。しばらくそのまま掛けていたが聴こえない。どこかスイッチでもあるのかなとその空間の隅の方を見ていると音が鳴った。
「カツーーーーン」
洞窟の中で響く誰かの足音。
「カツーーーーン」
どうやら自分の足音がヘッドフォンから増幅され洞窟の中で歩いているような音が聞こえる仕組みだ。
二回三回と足踏みをしてみる。何度かしていると音が変わり、鉄の上を歩いているような音になった。
おや、これ、面白い。
そこで周りに人がいないのを確認して思わずパドル&ロール。
少しの足音でもハッキリと音が聞こえる。ステップがかすっていてもカツーンとハッキリ聴こえる。僕のステップってなんてクリアなんだろう。
しばらくこの岩の中で足音を楽しんだ。
http://www.axisjiku.com/jp/2012/04/06/%E6%A3%AE%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8%E3%80%8C%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E5%B1%95%EF%BC%9A%E7%A7%81%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%B8%E3%80%81%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1/
展覧会は、現代アートの方が刺激があっていいなと思う。
この森美術館は、展望台と併設されているので帰りに展望台にもよって東京の景色を楽しんできた。
そしてこの展望台には、一面がガラス張りのバーカウンターもある。なかなか上手いことを考えたもんだ。
というわけで、イ・ブル展、お勧めです。