企業にとって日本を魅力的な国にするために、法人税の減税は必要かもしれない。
ただ、法人税の減税を実施しようとすると、「企業の税金は減らして、一般市民の税金は増やすのか!」と騒ぐ人がいる。そこで、一般市民にBenefitが及ぶような法人税の減税方法を考えてみた。何をやるかというと、

配当を控除可(全額!)とする

カンタンでしょ?名づけて、Dividends-Paid Deduction(DPD)です。DRDの逆バージョンです。配当しなかったIncomeについては、当然、法人税を課税します。法人税率は現状のままでも、企業の法人税負担(Effective tax rate)は大きく低下します。どの程度Effective tax rateが低下するか、具体例でみてみます。

A社を想定します。
Taxable income: \10,000 (単純化のため、Taxable income = accounting incomeと仮定)
法人税額: \4,000 (Tax rate: 40%)

現状、税引後、\3,600を手元に残したい場合、配当できる額は、\2,400となります。
\2,400 = \10,000 × 40% - \3,600

次に、DPDが導入され、配当が全額控除できる場合を考えます。手元に\3,600残したいA社が配当できる金額は、
( \10,000 - 配当 ) × ( 1 - 40% ) = \3,600
配当 = \4,000 となります。
また、A社の法人税負担は \2,400 = ( \10,000 - 4,000 ) × 40% となり、大幅に低減されています。
最後になりましたが、Effective tax rateも大きく低下して、24% = \2,400 / \10,000 となります。

法人税の内、配当にかかっていた部分を投資家(=一般の人とは限らないですが・・・)に分配しよう、というのが基本的なコンセプトです。DPDの効果を列挙すると、

① 配当が増えるため、株価がアップする。
② 配当が増えるため、年金・投信による老後のたくわえに余裕ができる。
③ Debt SecurityとEquity SecurityのCost of Capitalの差が小さくなる。
④ 「貯蓄から投資へ」を推進できる。
⑤ 確定決算主義と共存できない(?)
⑥ Income gainが増加するため、401kを利用した個人の年金積み立てを促進できる。

ざっとこんなものでしょうか。メリット/デメリットを問わず、ほかに思い当たるDPDの効果があるようでしたら、知らせてください。

「配当を控除するなんて、DividendをExpense扱いするようなもの!」といわれそうです。会計でDividendをIncome statementに載せることはありえません。一見、DPDは無茶な考え方でしょう。しかし、税制は会計ではありません。確定決算主義を忘れましょう。確定決算主義がなくても回っている国はたくさんあります。税制は、国の資金集めのツールであり、経済活動に影響を与えるためのツールです。企業の価値を適正に測定することが目的の会計とは、根本的に別物です。

DPDを導入すると、外資の日本子会社が、本社に払う配当に税金をかけることができなくなります。これを防ぐために、DPDの対象になる配当は日本の納税者・社に支払われたもののみとする、といったことが必要でしょう。

「配当を払う側で控除する(DPD)より、配当を受け取る側で非課税にすればいいんじゃないの?」という気もします。ただ、1) 401kの複利効果を引き出せる、2) 受け取る側が個人の場合、税率が累進的なので、金持ち優遇的な批判をかわしやすい、と考えDPDを推しています。また、消費税のぜいたく税化 とDPD組み合わせれば、金持ち優遇をだいぶ抑えることができると思います。

まあ、これだけで税制の問題点が解決することはないでしょう。ただ、Think out side of the boxです。しがらみなく、柔軟にいろいろな考え方を知ったほうが、よりベストに近いものを作り出せる、ということです。
「消費税は弱い者いじめだ!」

といわれることがある。でも、消費税の制度設計によっては「消費税は金持ちいじめだ!」にすることもできる。消費税をぜいたく税化するようなものです。その方法はいたって簡単で、①消費税率と、②非課税消費額をちょこっといじればできます。

「非課税消費税額って何?」と思った方は、2008/10/18の記事を見てください。

消費税をぜいたく税化するためには、消費税率と非課税消費額を(例えば)以下のように設定すればよい。

① 消費税率 50%
② 非課税消費額 500万円/年
そして、250万円(500万円 × 50%, STC)を消費者に還付する。

これでなぜ消費税がぜいたく税になるかというと、

(例1) Aさん(年収500万円)が年収を全額消費すると、250万円を消費税として買い物時に支払う。しかし、Aさんは消費税の還付金250万円を受け取るので、実質的な消費税の支払額は0円となる。

(例2) Bさん(年収5000万円)が3000万円消費すると、1500万円を消費税として買い物時に支払う。消費税の還付金250万円を受け取り、実質的な消費税の支払額は1250万円(= 1500万円 - 250万円)となる。

①と②をちょっといじっただけで、急に消費税がお金持ちに厳しい税になりました。所得の低い人は消費税をまったく払わなくていいし(収入以上の消費をしないと仮定)、所得の高い人でも500万円/年以下で、つつましく暮らせば消費税を払わなくてよい。逆に、派手な暮らしをするとすさまじい消費税を払うこととなる。

工夫次第で消費税を庶民に優しく、金持ちに厳しい税にすることができるのです。

安全性を求めれば求めるほど、もちろん、コストがかかる。


リスクは高いけど安い食品

リスクは低いけど高い食品


どちらの食品を選ぶか、消費者が選択できるようにしてほしい。