「裏横浜 〜グレーな世界とその痕跡」八木澤高明 著 | 横浜の相鉄線「天王町」駅より徒歩1分のダイニングバー『tapastyle-dining hanauta 』~タパスタイルダイニング ハナウタ~

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横浜の天王町駅より徒歩1分のカジュアルダイニング&バー

洋風小皿料理やパスタやピザを主体としたお料理と、ビールにワイン、カクテルから本格モルトまで!

お一人様でも、団体様でもご利用出来る、融通の効く使い勝手の良いお店を心がけております。



ちょっと用事があって保土ケ谷駅を使った際、駅の住吉書房をプラプラしてたら見つけた本書

タイトル見て必殺ジャケ即買い

本書の紹介文↓

オシャレで洗練され、都会的なイメージがある横浜。しかし、その背景には猥雑で混沌した一面がある。欲望、野心、下心の吹き溜まりだった街の過去とは。

みなとみらい、赤レンガ倉庫、山下公園……。横浜からはオシャレで、洗練されていて、都会的なイメージが想起されるが、それはほんの一面にしか過ぎない。悪臭で誰が泊まるともしれない船の宿、最後の居場所のストリップ劇場、革命家の隠れ家など、その裏側には猥雑で混沌したものが隠されている。生まれ育った街の歴史を掘り起こし、実体験を織り交ぜながら、横浜の真の姿をさらけ出す。

【目次】
第一章 横浜スタジアムの足元
第二章 海上の楼閣――山下公園、みなとみらい
第三章 消えた大陸の空気――中華街
第四章 日の当たらない人の居場所――黄金町
第五章 デラシネのゆりかご――寿町
第六章 世界との架け橋――鶴見
第七章 高低が織りなす風景――山手、元町、その周縁
第八章 夜の街に吸い寄せられる――伊勢佐木町

長いけど全部載せました。
紹介文に加えて、各章のサブタイトルも秀逸だと感じたからです。

作者は1972年生まれとのことで現在50歳とちょっと位でしょうか?
今ではもはや観光地と化した横浜の各スポットの抹消された歴史と真の姿を筆者の幼少期の体験談とその後の取材とを織り交ぜて、とても丁寧に記されているように思います。

因みに私は1981年生まれ、例えば黄金町で言ったら赤線街なんかの掃討作戦が確か2006年頃だったと思うので、あの街のかつての風景を見れたという点では、おそらく最後の世代

寿町も20歳そこそこの頃に間違って迷い込んだことがありますが、確かにヤバい空気感があって中々の恐怖を覚えたものです

伊勢崎町も昔は一本裏通りに入れば「親不孝通り」と名の通りの風俗街

中華街も初めて行った時は、ちょっと裏通りに入れば積み上げられたゴミとなんとも言えない臭い

そんな感じで少なからず本書に描かれている「かつての横浜の片鱗」を確かに見てきましたので、こちらを読ませていただいた事で、自身の経験に裏付けや肉付けがされた感じで非常に勉強になったと言うか、しっくり来た様な気がします。もちろん知らなかったこともたくさんw

僕は正直今の横浜が好きではないんですね、みなとみらいを歩いても景色はこの10年だけでもずいぶんと変わってしまったし、野毛も硬派な飲み屋街だったのに今では若者向けの観光地の様だし・・・

この本の様などう考えても無理だろっていう時代背景的な文化までは望まないんですが、文明開化〜現代までに発展した「横浜感」がどんどん無くなっているのはやはり少し淋しい

いずれは消されてしまうんだろうけど、今も当時の空気感や歴史がまだ残っている場所やお店も僅かながら残ってるんでね、せめて出来るだけ長く続いて欲しいものです

個人的な憐憫で長くなりましたが、今の横浜しか知らない若いハマっ子達にぜひ読んで欲しい

そんな一冊