色彩評論家のくわのです。今回はエレガントをキーワードに考えてみました。
以下のシャーペンはドイツの老舗ファーバーカステル社のものです。
高級感がありエレガントでスタイリッシュとキャッチコピーがありました。
確かに品があり、スマートなボディは高級感漂っています。
でも、エレガントさは?色?うむむ・・・。ちょっとダンディでは?
でも、きっとドイツではこのダークトーンや無駄な柄のないシンプルさが
上品さをイメージさせ、エレガントに結びつくのでしょう。
日本で色のイメージ調査をすると、
エレガントさは紫、ラベンダー、パステルピンク、白などです。
ちなみにこのシャーペンは40,000円です😅
こちらは日本の美容家電。ナノケアという加湿系の美容器。
エステサロンのような効果が家でも可能に!みたいなキャッチで在庫切れ!
一般的なイメージでいうエレガントな配色ですね。
紫系統の波長は自然治癒力を上げるとされていますので、
エステ系には最適な配色です。見ただけできれいに
なりそうな印象を与えます。エレガントで美しく透明感あふれるお肌になりそうな??
でも、このイメージも国が変われば、違ってきます。
以前、私が務める大学に中国から留学生が来ていて、
その学生に紫など様々な色についてのイメージを説明していたら、
「先生、中国では紫は不吉な色ですよ、エレガント??そんなイメージないです!」
と言われました。え??まさか~~~不吉??エレガントさ美しさはないの??
としばし討論になりました。
ん??では、日本では良いイメージしかないか?と言われれば、
いやいやそうでもないんですよね。戦隊ヒーローシリーズでの悪役の
衣装の多くは黒または紫系、アンパンマンの出てくるバイキンマンも紫色。
国や文化の違いもありますが、紫をどこに使うか、
何に使うかによってもイメージが変わってくるのだということがわかりました。
色のイメージ調査では設問の仕方がとても重要です。
様々なカテゴリーの中で、紫が何に使われていたら、
嫌なのか、美しいのか、好感が持てるのか、
これは聞き方によって回答がかなり変わってきます。
紫が好きで良いイメージを持っている人でも、
ビジネスマンが紫色のスーツを着ていたら怪しい人だと
印象を持ってしまうことが多いようですし、ピンクが好きな人でも
ピンクの車には乗りたくないという声もよく聞きます。
一概に色のイメージと言っても色だけがあるわけではなく、
何かモノについていて色を認識していますから、
そのモノが何なのかを明確にして調査しなければ
「女性はピンクが好き」だから、とりあえず女性対象なら
「ピンクにすれば売れる」といった間違ったロジックが生まれてくるのです。
もっと繊細なカラーマーケティングリサーチが必要ですね。