歎異抄をひらく | 冥奏記

冥奏記

狂ったダイヤモンドの日常

 

 
 
「悪人正機」で有名な親鸞聖人のアニメが面白かったです。
 
歎異抄は弟子の唯円が書いたものとされています。
善人が往生できるのだから悪人が救われないはずがない、と言葉だけでは難解に聞こえるかもしれないけど、その悪人とは何ぞや?というテーマに迫った良質なアニメだと思います。
 
人は誰でも内側に悪や闇を抱えています。
例えば事件やニュースを見たときに「こんな事するなんて信じられない!」と思う人もいれば「自分もそういう環境に生まれていれば犯人になっていたかもしれないな…」と思う人もいます。
 
前者は自分が善人であることを信じていて、後者は自分の中に悪が存在することを知っています。全ての人を救う阿弥陀仏は親鸞が言ったように悪人すら救うことができます。
 
しかし、自分の中の光や善だけを見て暗部を見ようとしない人に光明は訪れるでしょうか?
 
まやかしの光は見えるかもしれません。
だけど、本当の光は見えない。真理の光は地中に埋まってるダイヤモンドのように汚い泥で覆われているからです。
 
この世に生きる全ての人は悪人である。
でも、その悪に気づいた人はもう悪人ではない。なぜならその人は阿弥陀仏の本願の中にいるからである。
 
大飢饉の時代に命がけで阿弥陀仏の教えを説いた親鸞の言葉は深いですね。