営業の方との同行は、東京では何度も行っていました。
ただ、研修も兼ねていたので、私が一緒の時は、腹膜透析を行っている病院を中心に回ってくれました。
しかし、他の支店では、そういった配慮はありません。
血液透析だけを行っている病院でもかまわず連れて行かれました。
「おれらは腹膜透析だけやっている訳じゃないんだ。主力は血液透析だ」
という営業の方もいました。
「せっかく東京の本部から来たんだから、透析施設も回って、営業してもらいますよ」
そういって、血液透析の営業が中心になりました。
私としては、助手席に乗せられた以上、どうしようもありません。
連れて行ってもらうところで、挨拶や商品説明などをさせられました。
血液透析のことも勉強していたので、なんとかなりましたが、本筋から離れています。
「営業はまるでわかっていない」
こう部長がいっていたことが思い出されました。
本部に帰って、出張報告書を提出したとき・・・。
「お前は、どこを回ってきたんだ。こういったところを回るために、北海道まで行かせたんじゃないんだぞ!」
部長にお叱りをうけました。
「そうはいわれましても、営業の方が・・・」
「営業が同行じゃないわ! お前が主導権を握って、行くべきところへ連れていかせるんじゃ! わかったか!」
強い口調で言われて、私は反論することができませんでした。