私は1人、点滴につながれながら、ナースステーションで看護記録を書いていました。
もうそろそろ、面会時間も終わろうとした頃です。
「エリーゼのために」が鳴り響きました。
この曲はナースコールになっていたのです。
なかなか、コールは鳴りやみません。
ある一定時間が来ると、一度鳴りやみます。
しかし、またコールされています。
準夜勤の方は忙しく、対応できなかったのだと思います。
ず~とコールが鳴り響いています。
私は日勤で、残って仕事をしています。
その上、点滴までしていました。
どうしたものか、思案していました。
『今は、勤務中じゃないし、この状態だからな・・・』
私は準夜勤の方にまかせようと思い、私の残っている仕事である記録を書き続けました。
そこに・・・。
「すいません! 大変なんです。息が、息ができないんです」
ナースステーションに1人の方が来られました。
重症部屋に面会にこられていたご家族の方です。
「早く、お願いします」