私が勤めていた病棟は、脳外科と整形外科と皮膚科の混合病棟でした。
がん専門病院でしたので、脳腫瘍や骨肉腫、皮膚がんという方が主体でした。
ある皮膚がんの患者さん。
皮膚がんの治療に放射線療法を行いました。
治療を行ううちに、患部は収縮し、回復したかのように見えました。
しかし・・・。
放射線療法が終了して、少したつと・・・。
皮膚がんだった部分の周囲ががん化してきたのです。
放射線は発がん性があることが知られています。
がん細胞を死滅させる作用もあるのですが、健康な細胞をがん化させる作用もあるのです。
その患者さんは、新しくできてしまったがんのほうが範囲は広く、進行が早かったです。
よかれと思った治療でしょうが、結果、がんが増えてしまったのです。
「がん体質」
『そうはいうけれども、こういった治療ががんを誘発しているのではないか?』
私の頭にはこんな考えが浮かんでは消えていくのでした。