11日目
ちゃかちゃんりんちゃんりん
皆様、金玉亭タヌ助でございます。
えー、本日もつまらない話をおもしろおかしく話す
時間がまいりました。
お時間が許しましたなら、最後までお付きあい下さいませ。
さて
ヤフーで落語「通」検定なんてぇもんも始まりましたが
本当の落語通は知識なんぞを褒めてもらうよりは
落語の腕を褒めて貰いたいと思うんですがね。
ま、
落語通1級の方限定で入場制限した寄席を
落語協会が開いたらそれはそれで面白いかもしれねえですが。
いや、高座の最中に話がちょいと飛ぼうもんなら
いきなり客席がざわざわしだす、なんて寄席にあたしゃ
呼ばれても絶対行きたくありませんが。
それはそれとして
今、話題になっているのは、落語通検定1級に合格する落語家が
どれくらいいるんだろう、てなことです。
落語通1級が編集した落語通特級試験を落語家に出す
なんてぇ企画も面白い。
例えば
名人長二てぇ三遊亭円朝のこさえた噺がある。
出だしは
「これは享和二年に十歳で指物師清兵衛の弟子となって」
てんだが、それじゃ長二は何年生まれだ、みたいな問題はどうだ。
正解は寛政四年。
それで、これを知ってる落語家が落語が上手いかといえば
そういうわけではないなぁ。
物知りと落語の名人は必ずしも一致しない、
とはいえ、名人長二の噺は2時間以上かかるんですから
これをちゃんと一気に出来るてのは、それだけで名人かもしれないですな。
まぁ、これだけの大ネタをやるのはそれなりの経験が必要ですけどね。
ただ、問題はお客さんかもしれませんね。
現代の落語で、人情噺が好きな方は減ってるんじゃないでしょうかね。
そういう意味では、お客様は落語通1級100名限定なんてもんに
意味がでてくるかもしれませんなぁ。
と、前置きが長くなったところで
「おい、ポン吉、落語家偏差値てぇのを聞いたことがあるか。」
「えぇ。小三治師匠が70で正蔵師匠が30のやつですね。」
「うん。世の中、なんでも偏差値の時代だからなぁ。
で、もし、あるとしたらどんなもんの偏差値が欲しい。」
「そうですねぇ、銀座の飲み屋の偏差値。歌舞伎町の
キャバクラのおねえちゃんの偏差値。吉原のソープの偏差値。」
「そうだな、キャバクラのおねえちゃんは偏差値で指名料を変えて欲しいな。
名札の横に偏差値を書いておく。他にはどんなもんがある。」
「俳優、女優の偏差値。新番組の視聴率が大体予想出来る。」
「木村拓哉が70で泉ピン子が30、てか。そんなんじゃ、
予想出来ないだろ。そんなに簡単ならテレビ屋は苦労してねぇよ。」
「いや、ドラマてのは、時間枠と原作、脚本とスポンサーで
ベース視聴率てのがあって、役者がそこからどれくらい上げ下げするか
てぇもんですよ。」
「ま、それはテレビドラマおたくのポン吉にまかせるとして
他にはどんなもんがある。」
「ニュースの偏差値。このニュースがどれくらい重要か、てのを
偏差値表示する。番組中の速報で流れるレベルのニュースが70。
うちらの寄席が途中で不入りで打ち切りになりましたってのが30。」
「おい、こら、不吉なたとえ話をしてるんじゃねぇ。
で、どんな意味があるんだ。」
「ま、真剣に見るかどうかの事前情報ですね。
あ、あとは本日の寄席の客の偏差値。」
「しかし、なんでこんなに偏差値社会になっちまってるかってのは
やはり、客観的評価が重要で主観的評価の価値が認めらんねぇ時代なのかね。
ちなみにおめえの偏差値は43だそうだ。」
「うーん。ビミョ-。やはり偏差値の高い客にしか判んねぇのかなぁ。」
「いやそういうことじゃないとは思うが。。。。」
お時間もよろしいようですので
続きは、又の機会にという事で。
ちゃかちゃんりんちゃんりんちゃんりん
10日目
ちゃかちゃんりんちゃんりん
皆様、金玉亭タヌ助でございます。
えー、本日もつまらない話をおもしろおかしく話す
時間がまいりました。
お時間が許しましたなら、最後までお付きあい下さいませ。
さて
最近は便利な世の中になったもので
若い落語家なんぞはCDウォークマンとかで
落語を覚えちゃう。下手すると師匠なんかより多くの噺を覚えていたりする。
ま、落語なんてのもんは音楽と違って身振りも含めた芸だから
とか言ってると最近は携帯電話で落語を覚える奴がいる。
落語愛好家ってんならそれでもいいんですがね、
そういう覚え方をするとどうしても物まねになっちゃうんですね。
古典落語てなもんはそれでもいいんですかねぇ。
例えば、ここに大工の名人がいるとしますわね。
で、その弟子が一所懸命その名人をまねて
とうとう、同じ様に出来るようになるとしますと
それはそれでいい様な気がしないでもない。
で
古典落語の世界がそうなっていくと
ちょっと待てよ、と思うわけでね。
先日お話ししました様に、ポン吉の八五郎と
おいらの八五郎は微妙に姿格好、年令が違う。
これはどっちが正統派のはっつぁんてこともない。
どちらかというと
ポン吉のハチの方が私の亡くなった師匠のハチに似てたりする。
で
CDで覚えたりすると小さん師匠とこのはっつぁんになる。
自分とこの師匠のはっつぁんに似るのはお客さんも
よく勉強してるな、てなもんだが、大名人のはっつぁんに似ると
お前の落語は物まねだねぇ、て言われるんだ、これが。
うーん、微妙だなぁ、こりゃ。
ここんとこを、若いモンにどう説明すりゃいいんでしょうねぇ。
で、困った時のポン吉だのみ。
「おい、ポン吉、かくかくしかじかで困ってる。
いってえ、古典落語てのは伝統芸能なんだろか。
伝統芸能なら、形をくずさない事が重要だな。
娯楽芸能なら、笑いや涙を誘うことが重要だな。」
「また、ややこしいとこにはいりこみましたね、師匠。
落語てもんがストーリーで笑いをとるなら、
2回目、3回目と回を重ねるごとにつまらなくなる。
これは、新作落語、とか漫才に言えることなんだが
落ちがみえてしまうとおもしろくないてなことになるわけですが、
それじゃ、絶対に古典落語のCDなんぞが売れるはずがない。
てとこですかねぇ。」
「うーん。よくわからねえ答えだな。
例えばだ、サザンや中島みゆきのコンサートで口ぱくだったら
客は金返せて怒り出すが、ジャニーズの屋上イベントなら
口パクでも許せるてえ話かな。」
「いや、ちょっと違うんですが
しかし
前座のやっと覚えました、てな落語よりも
古今亭志ん朝師匠や桂枝雀師匠のCD流して当て振りした方が
客には受けますね。」
「志ん朝師匠に枝雀師匠かい。又、難しそうなとこを。
昔、コロッケとかがやってた、物まねみてえなもんだな。
しかし、そういや落語にものまねてなジャンルはないねぇ。」
「そうですね。一節だけのものまねはあるけれど、落語一席
まるまるものまねてのはねえですね。」
「しかし、野球でも一流選手のバッティングフォームとか
まねているうちに打てる様になるらしいからなあ。
芸としてはどうかはわからねえが、勉強にはなるねぇ。」
「いや、だから、その芸としてどうかわからねえてとこが
問題なんでしょ。師匠。」
「そうそう、忘れてたよ。おまえんとこの金玉亭しっぽのこの前の高座。
ありゃ、どうみたって、馬生師匠のものまねだな。それも、似てない。
ものまねするなら、間とイントネーションを盗めと言っといてくれ。
声色なんざ、いくら真似ても意味はねえんだ、って。
ま、馬生師匠ていっても10代目の方だな、ありゃ。」
「そうですねぇ。うまい男性歌手が女性の歌を歌って
なんか似てると思うのは、間、なんですかねぇ。
ものまねじゃないから、声色は似せてないんですがね。」
「いっぺん、間似会みてえな寄席やってみるか。
間似会と書いてマネー会と読ませる。
それも大名人ばっかりのやつで。
しかも声色は真似ないから誰の真似かは判らない。
小さん師匠なら5代目じゃなくて3代目とかね。」
「だれの物真似か判らなければ物真似じゃないんじゃありませんか。
しかも、そんな事したら、又、協会の方から呼び出されますよ。」
「いや、古きよき時代の落語を保存するみたいな文化活動にしちまえば
大丈夫だろう。それじゃ、ポン吉、段取りは頼む。」
「え?え?え?。又、あたしが段取りですか?」
「おまえの価値はそこにある。」
お時間もよろしいようですので
続きは、又の機会にという事で。
ちゃかちゃんりんちゃんりんちゃんりん
9日目
ちゃかちゃんりんちゃんりん
皆様、金玉亭タヌ助でございます。
えー、本日もつまらない話をおもしろおかしく話す
時間がまいりました。
お時間が許しましたなら、最後までお付きあい下さいませ。
さて
今の日本の落語界では有名でしょっちゅうテレビでみる
名人クラスでCDやDVDがでている方々は別として
誰の落語がうまくておもしろいのやら
お客さまにとっては名前だけじゃさっぱりわかりません。
前座の落語はともかくとして真打ちともなれば
みんな、そこそこお客様は落語が出来るもんだと思っている。
しかぁし、ポン吉も私も同じ真打ち。
だが、ちょいと違う。
そこで、はたといいことを思いついた。
で
ポン吉名人のご意見を伺うことにする。
「おい、ポン吉、又、良いことを思いついた。」
「師匠、今日は又、何をおもいついたんです。」
「落語界に級段制度を導入しよう。」
「え?え?え?阪神タイガースみたいなやつですか?
で、猛虎会みたいな応援団を作らせる。」
「それはプロ野球球団。私が言ってるのは級とか段とか
柔道や空手みたいなやつ。いや、囲碁や将棋でもいいんだが。」
「え?初段になったら羽織が黒になるとか?5級以下は白装束とか?
30までに3段になれなかったら自動廃業になるとか、
2段以下は給料なしで師匠が食わせるとか、
段位によって、出演料が違うとか。
いろいろ考えてるんですかい。」
「次から次へよく思いつくな。そういうとこだけ、回転が速い。
が、まだ、そこまでは考えてない。
勿論、素人や学生の落ち研の人にも取れる様にして、
それそこは審査を甘くして、免状料で金をかせぐ。
どうでい、いい考えだろ。
これで、今日からおいらも落語が道楽で出来るってもんでい。」
「ほんじゃ、ま、取り敢えず試験制度を作るわけですね。」
「おう、取り敢えず級クラスは真打ちなら免状認定
できる様にしちまおう。アマチュアは10級から5級まで
1000円から6000円まで千円刻みの免状料。
4級から1級までは8000円から14000円までの
2000円刻みと。
初段からは受験料1万円で免状料が5万円から5万円刻み。
てなとこでどうでい。」
「いやどうでい、といわれましても、いやなんとも。
試験の制度によりますな。権威をつけなくちゃ。」
「ま、アマチュアの場合は認定すりゃ金になるんだから
プロの名人が認定すりゃいいわけだ。
従って、級クラスは真打ちの申請書
段クラスはそれに加えて名人の前でやってOKもらえりゃいい。
それで、本職の落語家は、本日の寄席の出演者は
金玉亭オッポ5級、金玉亭シッポ2級、
金玉亭ポン吉5段、金玉亭タヌ助名人、てなもんだな。」
「なんで、あっしが5段で師匠が名人なのかは、
いまいち納得がいきませんが、
多分、オッポもシッポが2級で自分が5級は
納得しませんぜ。師匠。
それはともかくプロをどうやって試験するんです。」
「ま、級クラスの昇級は基準と課題の話ができりゃいいとして。」
「なんですか、いきなり基準てのは。」
「例えば、10級の試験では50人のお客さんの前で規定の前座噺をやって
10人が一回でも笑ったら合格とか。」
「いやぁ、おっぽやしっぽの落語でお客さんが笑いますかねぇ。」
「うーん。あいつらの落語はまだ落語になってねぇからな。」
「私もあいつらの落語を聞いて、笑ったことなんざありません。
最後までおぼえてるかどうかをひやひやしてるだけで。」
「で、まぁ、それは置いといて、初段への昇段試験は
まず50人のうち40人が2回以上笑う。
しかも、名人3人がその50人に入って、
途中で駄目だししなかったらOKてのはどうかね。
これを年に2回くらいの割合で開く。これが4段までね。
ここまでが、二つ目だな。
名人クラスは独演会を何回やった、とか客が入ったとか
協会の理事をやったとかが審査資格基準でもいいやな。
名人審議会を一般の著名人で作ってもらって、審査して貰う。
横綱審議会みてえなもんだな。
で、真打ちは5段からで、
普通の真打ちの段持ちの昇段は自分より一個上の段の人間と
1対1の寄席勝負をして勝ったら昇段。
3回連続挑戦されて3連敗なら降段。
4段の二つ目に3連敗したら真打ち剥奪。
で、この寄席勝負は同じ噺を2つ先攻、後攻入れ替えて
お客さんにおもしろかったとかうまかった方に投票してもらう。
いいじゃねえか、真剣勝負で。」
「仮に名人がタヌ助師匠クラスだとしたら、絶対にすぐ駄目だしでしょ。
それじゃ、二つ目は永遠に昇段しない。
大体、寄席でも自分の出番がないときは、途中で、つまらんとか言って
よく帰ってるじゃないですか。」
「だって、つまらないものはつまらない。」
「大体、落語家の名人クラスなんて、変人の集団ですって。
自分の噺以外はつまらねえとか思ってるでしょ。」
「いやそんな事はないよ。
小さん師匠、志ん生師匠、上方では枝雀師匠や米朝師匠。
結構面白い落語家がいっぱいいるじゃねえか。」
「そりゃ、人間国宝も入ってる大名人ばっかりです。
しかも米朝師匠以外はみなお亡くなりになってます。
そんな大名人に比べられたら誰も合格なんざしません、て。
大体、師匠はあたしの落語を聞いてもくすりともしないじゃないですか。」
「いや、最後までおぼえてるかどうかをひやひやしてるだけで。」
いや、やっぱり、弟子なんてもんはいつまでたっても
はな垂れ小僧のままでして、なかなか審査なんてできませんなぁ。
お時間もよろしいようですので
続きは、又の機会にという事で。
ちゃかちゃんりんちゃんりんちゃんりん