野田さんが、自公との連立を目指す考えを打ち出しました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110813/stt11081313130002-n1.htm




まだ代表選の全容は見えませんが、
・増税 VS 反増税
・マニフェスト修正(現実派) VS マニフェスト貫徹派(原理派)

などが分岐点のようです。


そしてとうとう、政権運営でも、
・自公連立 VS 非連立

が加わりました。



野田さんは全て、左側の、現実派。
文芸春秋の論文では「中庸」と、自筆されていました。

この路線は、安定感や、責任感を感じますが、
同時に、自民党政権から何が変わるのか、わからないリスクもあろうかと思います。

政治信条でいえば、野田さんは民主党内では保守派。
自虐史観からも脱している方だと思います。

ただし私が最も気になるのは、「闘う政治家であるか?」です。
あまりに謝罪外交・媚中外交にも、尖閣問題でも、沈黙。
教育改革でも、日本の心を守るという観点の政策は聞いたことがありません。
また田母神さんを罷免したときも、罷免を正当として強く訴えていました。



これらの行動歴を考えるに、
おそらく野田さんは、
保守の精神を出して、日本の政治を改革することはない
と思います。
「中庸」というように、妥協、バランスを、重視しながら、運営する。
つまり、「闘わない」と思います。
あくまで、現実路線。
ねじれ国会では、ある意味、仕方のないスタンスかもしれません。



私は現実派は好きです。未来への責任感を感じる。
先に結論を言うと、民主党はあの圧倒多数では解散をしないでしょうから、首相の交代しかない(自民党末期と同様)、

となると野田さんが首相になることは、ベターな選択だと思います。


しかし私は、筋を通すことを、もっと重視しています。
いま民主党は、全くもって、総選挙での約束を守れないまま、現実派に転換しようとしている。
日本のためにはいいことですが、ではあの選挙はなんだったのでしょう?
ウソだったのでしょうか。国民をだましたのでしょうか。筋は通っているのでしょうか?!


よく野田さんは「震災前後では状況が違う」と言います。
? 震災のせいにしてはいけません。
確かに、復興のため、財源が更に必要になりました、が、
この国の現状は、震災前から、極めて厳しい状況なのです。

財政危機を筆頭に、内憂外患が山積しているのです。



それに対する解決策を提案したのがマニフェスト。

それは震災があってもなくても、重大なものです。
マニフェストを修正するなら、やはり解散総選挙をやり直すのが、筋です。
百歩譲って、政権維持しても、次の選挙のときは誠実に、前回マニフェストの至らなさを認めなくてはならないと考えます。


現実派となることは、つまりは自民党との違いがなくなるということです。
日本のためにはいいことですが、民主党の存在意義が弱くなると思います。
もっといえば、もう民主党の賞味期限は終わったと、私は思っています。

民主党の本質は「反自民党」。自民党でない集団が全て集まった。

だから元社会党から元自民党出身まで、多種多様。政治信条も統一できません。綱領もない。

それを無理やり統一できてきたのは、「自民党に勝つため」だったのです。



もう勝ってしまった、政権交代を果たしてしまった今、いよいよ党内で意見統一ができなくなった。

だから増税派 VS 反増税派や、マニフェスト修正VS貫徹、というように、

ひとつの政党を名乗るには致命的な分裂を起こしているのです。

そういう成り立ちを踏まえなければいけません。単に小沢さん1人が悪者で、小沢が民主党をかき回している、というようなレベルではないのです。

そもそも小沢さんがいなかったら、民主党がここまで大きくなり、政権奪取できるようにはなれなかったと思います(私は小沢さんの政治信条や姿勢は全く評価しませんが)。

そのことをわかっているから、代表選で過半数ちかくまで、支持を集めるのでしょう。

皆さんにもくれぐれも、「民主党はもう寿命が終わった」ことを、忘れずに頂きたいと思います。



いまの民主党でできることは、せいぜい「自民党に反省・改善を促す」程度と思います。(もちろん自民党がそれを正面から受け容れるかはわかりませんが…)
総選挙が近づけば、おそらく「まだ政権交代の真の成果は出せていない」「自民では時計の針が戻る」などと訴えると思います。

つまり、依然として、反自民で訴える。それしかないからです。

といってもそんな言葉はウソなのは、もう証明済みですから、総選挙では確実に、議席を減らすとは思います。





ここまで書いてきて、全ての論を包含する解決策が、1つあります。

それは、野田さんが、単に首相になるのではなく、

政界再編に向けて動くことです。
寿命の尽きた民主党を終焉させ、かつ日本のためとなる現実的な保守勢力を立ち上げるには、

再編することがベストと思います。

以前、山田宏さんも、同じことを講演で言っていました。

http://ameblo.jp/tanuma/entry-10912921665.html

http://ameblo.jp/risaki-yuho-miz/entry-10919629968.html (←こちらもより正確です)

すぐかはわかりません。時機もあろうかと思います。復興のため救国内閣をしてからかもしれません。

手法も、谷垣さんに首相を譲るのか、独自に解散をするのか… 当の野田さんでもいまは決められないでしょう。

本当に繊細で微妙な舵取りになろうかと思います。



なお念のため。

自公にとっても、大連立は、かなりリスクがあります。

批判材料がなくなるからです。

野党というのは、ある意味、批判するのが存在意義(何でも批判はダメですが)。

次の選挙で訴えるものがなくなるでしょう。

そのことを当然、自公幹部はわかっていますから、

大連立には慎重になるわけです。



その、お互いの状況を把握しながら、繊細に慎重にでも大胆に動けるか…

それを野田さんには期待したいと思います。



繰り返しですが、私は民主党には全く期待できません。

ですから、野田さんも単なる民主党代表であり首相であるなら、支持はできません。

しかし政界再編への動きは支持します。

これは時機がこないと表立って発言できないですから、野田さんも苦しいと思いますが、

行動や言動を見ていれば、少しずつ把握できるとも思っています。

それまでは私も依然、厳しく見ざるを得ないことを、予め断っておきます。

再編の兆候を私が感じれば、またここでご報告します。





政治家の使命の1つは、未来予測。

政治無力、政治不信を打破するためには、政権闘争も、大切なテーマです。政治は戦いですから…

これからも、注視していきます。