以前修理したのですが、その後、
1.FMの感度が低下し、以前ステレオ受信できていた局が
ステレオ受信できなくなった。
2.テープがピンチローラーに巻き付く事が多くなった。
また再生ボタンが重く、押し込むのに以前より指に力を
使います。
というものです。
下の写真がRC-707です。昭和50年に発売されています。昭和50年は皇紀2635年、西暦に換算すると1975年です。50年ほど前の機種ですな。
裏蓋を外して内部を見たところです。
先ずはカセット部分の手直しから。
下の写真はカセットメカとアンプ基板を本体ケースから取り外したところです。
再生時にテープがピンチローラーに巻き付く件、原因は巻取りリールのトルク不足です。
トルクが弱いと巻取りリールの回転が遅くなったり回転しなくなり、巻き取れなくなったテープがピンチローラーに絡まるのです。
今回のトルク不足は再生時(録音時も)に巻取りリールを回転させる部分がスリップしやすくなってきているためでした。
下の写真で、巻取りリール右側のキャプスタン軸が回転し、リール周囲のゴムが動力を受けて回転す仕組みです。
ところが、リール周囲のゴムが経年劣化で固く、滑りやすくなっています。今回、このゴムの部分やその他の部分もクリーニングしたので巻取りトルクはかなり回復しました。手持ちの負荷が重いテープ(古い120分テープ)も問題なく再生できましたが、負荷が重いと感じるテープ(鉛筆の軸をカセットテープのリール軸に差し込んで回転させてみて、他のテープと比べて重く感じるテープ)はできるだけ使用しないか注意しながら再生してください。
下の写真はカセットメカの裏側を見たところです。フライホイールの板金に51.9.10のスタンプがあるので昭和51年製ですね。
初期のものはモーター近くにサーボコントロール用の基板やボリュームが付いていましたが、本機はサーボ回路内蔵型モーターで、モーター後部の穴にドライバーを入れて速度調整するようになっています。ベルトのクリーニングやグリスの再塗布を行いボタンを押し込むときの力も軽減したと思います。
FM受信に関しては当方で感度を見てみましたがそれほど落ちていないように思います。再度調整いたしましたのでご確認ください。
FM放送局を受信する際、少し離調したところでもステレオランプが点灯する場合がありますが、メーター指針が一番大きく振れるところが最良点であることが多いので、そこでAFCをONにするとうまく受信できるのではないかと思います。放送局が近接しているとAFCをONにしたままチューニングしようとすると望みの局が選べないこともあります。
様子を見て問題ないようであれば明日発送いたします。