ICF-SW77の修理 | じんけいの修理日記

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趣味とボケ防止を兼ねて古いラジオの修理を楽しんでおります。https://jinkei.sakura.ne.jp/

昨年に受け取っていたのですが今年にずれ込んだソニーICF-SW77の修理です。

状態はあまりよくなさそうです。

電源を入れても全く音が出ません。メイン表示パネルのバックライトが点灯しません。AM, FMを問わず、信号があってもなくてもレベルメーターは常にMAX表示のままです。

 

 

 

 

 

 

シリアル番号は41009です。どちらかというと比較的古い個体です。

 

 

 

シリアル番号が2万番台~4万番台はケミコンからの液漏れが多いです。5万番台、6万番台の個体でもかなり漏れ出ているものがあります。

 

早速開腹です。内部は手が付けられていないようです。

 

 

 

ケースからシャーシを取り出しました。

 

 

 

メイン基板(信号基板)を外し、基板上に付いているすべてのケミコンを取りはずします。

次の写真はケミコンを取りはずした後の写真です(ケミコンを取り外す前の写真を撮るのを忘れました)。

 

 

 

基板をクリーニング後に新たなコンデンサをマウントします。470μF以外はセラミックコンデンサに置き換えました。

次の写真は新たなコンデンサをマウントしたところです。

 

 

 

 

基板を組み込んで接続も完了。これで音が出ると思いきや、症状変わらず、がっかりです。

オシロで調べて行くと復調IC(IC301)に電源が来ていません。どこかで断線しているようです。

 

 

電源ラインを追いかけて行くと、スルーホールが繋がっていないことがわかりました

 

 

 

上記のスルーホールの反対面のパターンはどうなっているのかというと、このようなパターンでした。

 

 

 

ケミコンを外した後の写真ですが、液漏れのしていたケミコンのちょうど真下にスルーホールがありました。コンデンサから漏れ出た電解液がスルーホールに溜まった結果、スルーホールが腐食し断線してしまったようです。

 

 

今回手掛けた個体はケミコンからの電解液の漏れが多く、スルーホールの断線、パターンの断線があり、修理に時間がかかりました。

 

液晶パネルのバックライトが暗いので電球色の高輝度LEDと交換しました。オリジナルではLEDにシリーズに入っている電流制限抵抗が120Ωであるのに対し、今回はさらに470Ωの抵抗を追加しましたので電流は4分の1程度に減っています。

 

 

 

各バンドとも良好に受信するようになりました。本機も念のため湿度を高くした状態下で問題が起きないことをあとで確認します。