ソニーICF-SW77の2台目修理です。本機も昨年末に届いていたのですが、、、、今頃になってしまいました。
本機の症状は
FMは受信できるときもあるが感度が悪く周波数が高いほうは受信できない。
MWも周波数が低いほうは何とか受信できるが高いほう(例えば1422kHzのラジオ日本)は感度が極端に悪い。また、SYNCやSSBに関しては表示が切り替わっても機能は切り替わらないか切り替わるのに非常に時間がかかり不安定というものです。
シリアル番号は34349です。直前に直したSW77より少し早く作られている個体です。
裏蓋を外して内部を見たところです。今見えている基板はメイン基板(信号基板)です。この写真ではわかりにくいですがケミコンからの電解液が結構広がっているのです。
取り外したケミコンの足の部分を見てみると漏れ出た電解液(四級塩)がべっとりと付いているのがわかります。
基板側はどうなっているのかというと、こんな感じでべっとりと基板に付いています。四級塩が乾燥して白っぽい粉のようになっている箇所もあります。
この電解液がスルーホール経由で反対面に広がります。スルーホール内に長時間とどまっていてスルーホール自体が断線することも多いです。
下の写真はケミコン直下に設けられたスルーホールが電解液で断線していました。その結果、D/Dコンバーターに正常な電圧が加わらず発振が不安定になっていました。
この電解液は導電性が非常に高く、スルーホール内で銅箔が腐食、オープン状態になってしまっても電解液がその穴に留まっていれば電解液で導通することです。ただし、湿度が低くなって電解液の水分が蒸発してゆくと抵抗値が高くなってゆき電流が流れにくくなり機能が働かなくなったり不安定になります。結構厄介です。
ケミコンを取り去り基板をクリーニング後に新たなコンデンサをマウントしました。
どうもIC、その他の部品の下にまで電解液がしみ込んでいるようで、調整がうまくゆかず、FMの感度が少し悪いです。FMのIF増幅回路に載っているケミコンからの電解液の影響でその両隣のトリマーコンデンサやバリキャップが影響を受けているようなのです。
LEDは発行能率が低く、大飯食らいの緑色のLEDの代わりに電球色の高輝度LEDを電流を落として発光させています。
本機も湿度が高いところでチェック後、問題なければ修理完了とします。